先進国で突出した「放漫財政」の日本

 日本では国家財政の悪化が定着して久しいが、海外でもこのところ大衆迎合的な政策を実現させるために財政の悪化ペースが加速している国がある。

 例えば、米国では大型減税政策、歳出増加が重なり、2019年以降は財源をファイナンスするための国債が多く発行されることが議会予算局の見積もりでわかっている。

 今月、金融市場を大きく揺れ動いたイタリアも、問題の根源は財政だった。イタリア国債の価格急落を引き起こしたのは、ポピュリズム政治という点だけで共通する極右と極左の連立政権が誕生し野放図な財政拡張政策が国家財政をさらに疲弊させるだろう、という不安が市場の混乱を招いた。

 だがイタリアより財政赤字を抱える日本で表向き、市場が安定している。なぜなのか。

財政問題の解決策にはならない
3つの「安心材料」

 国家財政が破綻するというのは、債務者である国が借金を返済できない状況である。近年の例でいうならば、2012年ごろから表面化したギリシャ危機がそうだった。