アイドリングストップの「省コスト効果」が都市伝説といえる理由写真はイメージです Photo:PIXTA

 いまやフェラーリやポルシェにも搭載されているアイドリングストップ。国産車でも、一部のスポーツモデルや特殊な車両を除くほぼすべての乗用車に装備されている。ディーラーでも燃費が良くなる、燃料の節約になると勧められることが多い。

 たしかに、信号待ちで無駄なアイドリングをやめれば、それだけ燃料消費は抑えられる。一般に停止時間が5秒あれば、エンジン再始動による燃料消費を相殺できるといわれている。つまり5秒を越えて停止した分のガソリンが節約される。省エネルギーセンターによると、2000ccの自動車が10分間のアイドリングで消費する燃料は130ccだという。もちろん車種や利用条件(エアコンONなど)で数値は変わってくるが、1時間のアイドリングで780cc。条件によってはおよそ1リットルのガソリンがアイドリングで消費されると思えばよい。

アイドリングストップ技術とは

 アイドリングストップには、手動で行う操作と、クルマが自動的に行う操作の2種類があるが、ここでは、自動で行うものをアイドリングストップ機能と定義する。動きとしては、信号などで停止し、ブレーキを強く踏み込むことなどで、エンジンを停止するもの。ブレーキを放したりハンドルを動かすなど、なんらかの操作を認識すると、自動的にエンジンが再始動する。アクセルを踏めばそのまま発進してくれる。