主治医が見つかる診療所 秋津壽男Photo:PIXTA

生活習慣病は、日々の習慣が引き起こす病気。「習慣」が引き起こす病気は、「習慣」の改善でしか治す方法はありません。『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)にレギュラー出演する総合内科専門医・秋津壽男氏の新刊書『薬を使わずに「生活習慣病」とサヨナラする法』からの一部抜粋で、薬を使わずに生活習慣病とサヨナラするコツを紹介します。今回は、生活習慣病の元凶、「肥満」のリスクについてのお話です。

肥満になることが
すべての生活習慣病の始まり

 生活習慣病は、生活習慣によって生まれる病気。

「病」とついていても、基本的には薬は必要なく、自分の力で治せるという意味では、「生活習慣病は病気ではない」と言ってもいいでしょう。

 では生活習慣病は何かというと、「リスク」です。放っておけば命に関わる病気につながりかねない諸症状なのです。ですから、病気ではないと言っても、深刻に受け止め、早め早めに対処することが、健康長寿につながります。

 効果的な策を講じるには、まず「敵」の本性を知ることから。ここでは、それぞれの生活習慣病がいかに起こるのか、メカニズムを簡単に説明しておきましょう。

 まず、気をつけたいのは「肥満」です。

 肥満とは、お腹の中の内臓に溜まる内臓脂肪や、皮膚の下に溜まる皮下脂肪がたっぷりついている状態を指します。体についている脂肪を総称して「体脂肪」といいます。