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友達づくりはどんどん難しくなる

学生時代は、自然と友達ができていた人がほとんどでしょうが、社会人になると、なかなか新しい友達はできにくくなります。

職場の人間関係は、上下関係や出世争いなど、さまざまな事情が絡んでくるので、学生時代の友達のような関係にはなりにくいのです。社会人になると、何もしないで勝手に友達ができることは少ないでしょう。じゃあ、どうすれば友達が作れるのでしょうか。

精神科医が教える「大人になってから友達を作る方法」Photo: Adobe Stock

まずは「心を開くこと」から

まず、友達を作る際に邪魔になってくるのが、「話しかけづらい雰囲気を持っていること」です。あなたの心が閉じている状態だと、なかなか人間関係は広がっていきません。マインドセットを変える必要があります。

「友達なんかいなくていい」「自分は1人でいるのが好き」と常に思っていると、それが非言語的に周りの人に伝わってしまいます。結果的に「自分には話しかけてくれるな」という雰囲気が出てしまうのです。

オープンマインド」という言葉がありますが、その反対の心が閉じた「クローズマインド」の人が、周りの人から自然に話しかけられることは難しいのです。あなた自身が、無意識にバリアを張ってしまっていませんか。友達を作りたいならば、そのバリアを取り除きましょう。

まずは、「自分は1人でいるのが好きだ」といった自己防衛的「言い訳」を安易に言わないようにします。「やっぱり、友達がほしい」「自分も会話の輪に入りたい」と思うことです。本心からそう思うことができれば、非言語的に周囲に伝わり、話しかけやすい雰囲気ができあがります。

それこそが、心が開いた「オープンマインド」な状態なのです。

「話しかけるなオーラ」を取り除け

友達がいない人は、多くの場合、「表情が暗い」「暗い雰囲気」を発しています。逆に、友達がたくさんいる人は、「笑顔」で「明るい雰囲気」を醸し出しています。

「しかめ面」というのは、「怒り」「嫌悪」のサインであり、相手に「NO」のメッセージを無意識で伝えます。「笑顔」は、「楽しい」「喜び」「感謝」のサインであり、相手に「YES」のメッセージを無意識に伝えます。

せっかく周りの人があなたに話しかけても、「しかめ面」「無表情」「暗い表情」で対応すると、それは「自分に話しかけるな」と言っているのと同じです

「笑顔」で対応する人は、「話しかけられてとても嬉しい」というポジティブで好意的なメッセージを伝えます。普段から笑顔を増やしましょう。話しかけられたら、笑顔で対応するのです。そうでないと、せっかく発生したコミュニケーションのチャンスを、自分で潰してしまいます。

とはいえ、自然に笑顔を作るというのは、とても難しいことです。普段からトレーニングしておかないとできないことなので、鏡を見たときに意識的に笑顔を作る、「笑顔トレーニング」を普段から行うようにしましょう。

話しながら「何を考えればいいのか」

あなたが、誰からも話しかけられないならば、自分から話しかけるしかありません。その場合、「自分と同じように友達がいなそうな人に話しかける」のがよいでしょう。すでに友達がたくさんいる人に話しかけても、相手にされない可能性が高いです。しかし、「友達がいない」「友達が少ない」「自分も友達がほしい」と思っている人であれば気が楽です。

ただ、コミュニケーションが苦手な人に「雑談をしてみてください」と言っても、何を話していいかわからない人が多いでしょう。

友達を作るための雑談のポイントはたった1つです。それは、自分と相手との「共通点を探る」ことです。人間は、自分と共通点を持つ人に親近感を持ちやすいのです。

趣味、好きなスポーツ、好きなアーティスト、好きな食べ物、出身地、好きなテレビ番組、好きなお笑い芸人、好きなゲーム、好きなファッションブランドなど、何か1つでも共通点が見つかれば、あとはその話を深めていけばいいだけです。「共通の話題」さえあれば、話し下手な人でも、会話のキャッチボールができるはずです

樺沢紫苑(かばさわ・しおん)
精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。
最新刊は『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)。シリーズ70万部の大ベストセラーとなった著書『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』(サンクチュアリ出版)をはじめ、16万部『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)、10万部『神・時間術』(大和書房)など、30冊以上の著書がある。

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