第18回広州国際自動車展示会のトヨタブースPhoto:VCG/gettyimages

――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト

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 米電気自動車(EV)メーカー、テスラの異常な株価バリュエーションは何とか理解することが可能だ。

 イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の熱狂的ファンのことは気にしないでおこう。彼らは株価がいくらであっても、テスラに声援を送り続ける。テスラについてバラ色の世界を想像してみよう。世界の自動車販売の大部分を占め、販売する1台ごとに既存の自動車メーカーを上回る利益を上げ、蓄電池併設型の太陽光発電設備の供給という、うまみのある事業が加わっている姿だ。一切の課題を無視する。そうすれば、今年の微々たる利益予想に基づく株価収益率(PER)の211倍という水準は、いざという時に正当化できるかもしれない。

 それでも、株式市場には問題が残る。