写真:SEMICON2020Photo:SOPA Images/gettyimages

 自動車から電子製品まで、あらゆる業界で半導体不足による影響が広がっている。需要急増で対応に追われる半導体メーカーは、顧客に辛抱強く待つよう要請している。

 供給不足により、一部の半導体が値上がりしているほか、受注への対応遅延、自動車工場の稼働停止といった事態が発生している。長引けば、新車納入の遅れ、電子製品の一部値上がりといった形で、消費者にも影響が波及しそうだ。

 早期に問題を解決できる見込みも薄い。新たな半導体製造装置を追加することはコストが高く、時間も要する。不足が特に深刻となっているのは、旧型ラインで生産される半導体で、メーカーにとっては収益面で魅力に欠けるという事情もある。

 半導体業界は目下、激動の時代を迎えており、品薄問題はこうした中で起こった。インテルは今週、新製品投入の遅れを受けて、ボブ・スワン最高経営責任者(CEO)を解任。クアルコムは新興企業ヌビアの買収を発表するなど、活発化する業界再編の動きに加わった。

 台湾の半導体ファウンドリー(受託生産)最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は14日、深刻な半導体不足に対処するため、自動車業界と連携して取り組んでいると表明。また魏哲家(CCウェイ)最高経営責任者(CEO)は、顧客は将来の供給ひっ迫に備え、在庫を積み増す公算が大きいと述べた。同社は需要急増を受けて、今年の設備投資を前年比で少なくとも47%拡大するとしている。