萩本欽一(はぎもと・きんいち)
1941年、東京・下谷生まれ。高校卒業後にマヌケないきさつで浅草の東洋劇場に入る。生来のマヌケさから3ヵ月でクビになりかけるが、マヌケさが幸いして命拾い。66年に坂上二郎とコンビ「コント55号」を結成。マヌケパワーが花開いて時代の寵児となる。
80年代には「欽ちゃんのどこまでやるの!」「欽ドン!良い子悪い子普通の子」「欽ちゃんの週刊欽曜日」など、手がけたテレビ番組が軒並み高視聴率を叩き出し「視聴率100%男」と呼ばれた。マヌケの底力を世に知らしめるとともに、自分でもビックリする。85年、マヌケなタイミングで休養宣言。その後も、長野オリンピック閉会式総合司会、「24時間テレビ」「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」などで活躍。2015年4月に駒澤大学仏教学部に入学。4年間にわたって楽しく実り多いマヌケな学生生活を過ごし、19年春に自主退学。現在は「欽ちゃんのアドリブで笑(ショー)」(NHK BSプレミアム)などで、また新たなお笑いを生み出している。
誰よりも「マヌケ」に助けられたものとして、その真価や真意がいまひとつ理解されていないことに、歯がゆさを覚え続けてきた。「マヌケ」の素晴らしさと活用法を広めることで多くの人々を救いたい――。この本は、いわば「マヌケ100%男」の人生の集大成である。
『マヌケのすすめ』まえがきより
マヌケは天から授かった才能である。
胸を張ってどんどん伸ばそう!
「マヌケ」って、いい言葉だよね。ぼくはこの言葉が大好き。
やさしくて、あったかくって、 文字を見ているだけでも楽しい気持ちになる。ためしに、口に出して言ってごらん。
もっと 楽しい気持ちになるから。
あっ、まわりに誰かいるときは口に出しちゃダメだよ。
とくに上司に聞こえたら最悪。「今 なんて言った!」って怒られちゃう。
取り扱いには、ちょっと気をつけて。
「マヌケ」は、こんなにいい言葉なのに、どうやら世の中の人は、マヌケの素晴らしさに 気がついていない。
マヌケな人、マヌケな行為、マヌケな考え、マヌケな表情、マヌケな展 開……。
いろんなマヌケがあるけど、何となくギスギスしている今の時代、マヌケな何かが 活躍する場面はますます増えているし、マヌケな何かに救われる人も多いはずなんだよね。
ぼくがコメディアンになれたのも、78歳になった今でも元気に続けていられるのも、ひとえにマヌケだったから。
たくさんのマヌケに助けられてきたし、自分のマヌケやまわりのマヌケのおかげで楽しい思いもした。
マヌケに関しては、誰にも負けません!
きっぱり言っちゃうのもなんかマヌケだけど、せっかくここまでマヌケな人生を送ってきたんだから、マヌケの素晴らしさを伝えないともったいない。
そう思って、この本を書きました。自分を「スグレモノ」だと思っていて、スグレモノ人生をべつにつらいと思っていな い人は、あんまり読まなくていいです。
とくに得るものはないでしょう。
読んでほしいのは、自分はマヌケだと思っている人。
「どっちかな」と思っている人も、 迷う必要はありません。
だいたいの人間はマヌケです。
そして迷うということは、マヌケとして見込みがあるということです。
マヌケであることがつらいとか恥ずかしいとか思っている人には、とくに読んでほしい。
あなたは考え違いをしています。
この本を読んで、マヌケであることがどんなに幸せで、いかに恵まれているかを自覚しましょう。
どうやら自分はマヌケだけど、まあしょうがないなとあきらめている人も、ぜひ読んでください。
マヌケはあきらめることではなく、誇るべきことです。
マヌケでよかったと胸を張って、マヌケとしての新たな一歩を踏み出しましょう。
~『マヌケのすすめ』まえがきより
■新刊書籍のご案内
萩本欽一著 定価(本体1300円+税)ダイヤモンド社刊
「マヌケ」という言葉は、
「バカ」と混同されがちだけど、
「マヌケ」という言葉を使っていたら
人間関係も仕事関係も良くなっていくし、
マヌケであればあるほど運はたまっていくよ!
という欽ちゃんのあったかい言葉が詰まった本
誰よりも「マヌケ」に助けられたものとして、
その真価や真意がいまひとつ理解されていないことに、
歯がゆさを覚え続けてきた。
「マヌケ」の素晴らしさと活用法を広めることで多くの人々を
救いたい――。
この本は、いわば「マヌケ100%男」の人生の集大成である
ギスギスした時間の中で行きている今の人たち、
少しペースを緩めて、肩の荷おろして、
ちょっと「マヌケ」に生きてみたら、ストレスも減って、自由になって、
なんか毎日が少し楽しくなってくるかも、という本。
●「欽一、後ろに40人いるね。すごいね」
(250人中210番の通知表を見せたときのお母さんのやさしくてマヌケな言葉)
●マヌケであればあるほど運がたまる
●「バカ」を「マヌケ」に言い換えるだけで、会社も家庭もたちまち平和になると思うよ
●マヌケはハナから得を求めてないから、
幸せが向こうから寄ってくるんだよ
●たいていの失敗は「マヌケだね」で済んじゃう。
たいていの悩みも「マヌケだね」で片づいちゃう
●「どうせ俺(私)なんて」と思う人は、マヌケに入れてあげません
●まわりの人に感謝すればするほど、いいマヌケ、愛されるマヌケになります
●ぼくも二郎さんも「マヌケ」だったから、コント55号というコンビが生まれた
●ぼくは運だけで「視聴率100%男」になれた。ずっと「マヌケ」だったから運がたまった
などなど、味わい深い欽ちゃんの言葉にあふれた本。
人間関係や仕事に悩んでいる人にも、自分への自信をなくしている人にも、
きっとじわっとあったかく伝わる本です。
【本書の目次】
序章 「マヌケ」と「バカ」は違うんです!
●「バカ」と言われたら「すいません」だけど、「マヌケ」のときは違う反応をしたいよね
●「バカ」を「マヌケ」に言い換えるだけで、会社も家庭もたちまち平和になると思うよ
●テレビでどうしても「バカ」を使うとき、どういう気持ちでどんな工夫をしてきたか
第1章 なぜ、今「マヌケ」であることが大切か
●最初から「マヌケ」な社員を目指してしまえば、仕事や会社のことで深刻に悩まなくて済む
●みんながもう少しずつ「マヌケ」になることで、上司と部下も夫婦や親子の関係もうまくいく
第2章 「マヌケ」なほうが幸せな人生を送れる
●「マヌケ」はラッキーを無駄にしがちだけど、もっと大きなラッキーがやってくる……かも
●結婚生活で相手に腹が立ったときは、全部言わない「マヌケな言葉」を繰り出そう
第3章 ぼくは「マヌケ」だから生き残ってこられた
●浅草での修行時代を振り返ってみると、まさに「マヌケは身を助く」だった
●ぼくも二郎さんも「マヌケ」だったから、コント55号というコンビが生まれた
第4章 素晴らしい「マヌケ」たちに出会ってきた
●欽ちゃんファミリーは押しも押されもせぬ、どこに出しても恥ずかしい「マヌケ集団」
●「大将には聞いちゃダメ」だったのに、たったひとり田中美佐子だけ聞きにきた
第5章 「マヌケ」に生きていくために必要なコツ
●自分で自分を「ダメ」と認めてしまったら、どんどん「ダメなマヌケ」になっていく
●損すれば損するほど、あとで得が返ってくる。コント55号のときは、売れても貧乏だった
第6章 「マヌケ」であればあるほど運がたまる
●ぼくは運だけで「視聴率100%男」になれた。ずっと「マヌケ」だったから運がたまった
●『スター誕生! 』で司会に初挑戦したんだけどとんでもなく「マヌケ」な司会っぷりだった
第7章 「マヌケ」をもっと楽しみ、もっと伸ばす
●「間」には4種類ある。使い方を間違えるとそれこそ念入りな「マヌケ」になってしまう
●さっさと反省するのが「マヌケ」のいいところ。ぼくは近ごろ何でもメモをつけることにしている
第8章 「マヌケ」だったけど楽しかった学生生活
●4年間の大学生活は楽しくて充実していたけど自分らしい「マヌケ」な締めくくり方だった
●大学生活という最高に楽しい趣味は満喫できた。これからも「マヌケ」に進んでいきますよ