高齢者が次々に入院し、まるで“姥捨て山”のように置いていかれる。1人で何十人もの患者を担当し、食事する時間も寝る時間もほとんどない。そんな病院で医師と共に激務に耐える看護師たちは、まさに過労死寸前だ。いったい、誰がこんな「悲惨な職場」をつくってしまったのか。その背景には、少子高齢化で高齢患者が急増する一方、医療の人手不足が深刻化していること、診療報酬との兼ね合いで病床削減が起き、特定の病院に患者が集中することなど、構造的な問題が横たわっている。このままでは、医療崩壊は避けられない。労働問題を取材し続けたジャーナリストが、看護師の現状をルポルタージュし、隠れた問題を鋭く提起する。