退職代行サービスの利用者に対して「根気がない」「なぜ直接『辞める』と言えないのか」と疑問に思う人がいるかもしれない。

だが実際には、辞めたくても辞められず、やむを得ず退職代行業者に駆け込む人もいる。
退職手続きを代行する業者側も、依頼者の雇用主に迷惑を掛けるためにこのビジネスをやっているわけではない。「辞めたくても辞められない人」を退職させるという、れっきとした目的や大義名分があるのだ。

そこで本連載では、退職代行業者から入手したデータや「中の人」への取材を通じて、利用者が抱える悩みの本質をあぶり出していく。同時に、社員に「退職代行を使ってでも辞めたい」と決意させる日本企業の問題点も解き明かしていく。