ベスト50で入れ替わった11校

 改めて図1と図2に掲載した50校の顔ぶれを見ていこう。5都府県からランク入りしている。22年に3校あった埼玉県が消滅、関西圏では1校から4校に増えた。具体的には、東京都25校(うち都立高4校、都立中高一貫校3校)、神奈川県14校(うち県立高6校)、千葉県7校(うち県立高と県立中高一貫校が2校ずつ)、大阪府と兵庫県が2校ずつとなっている。

 まず、23年はランク外になった学校(カッコ内は22年順位)を地域ごとに挙げておこう。東京では51位渋谷教育学園渋谷(15位)、52 位高輪(48位)、60位東京都市大学等々力(40位)、73位桐朋(43位)、77位に男子校の城北(34位)、156位都立南多摩中等教育学校(35位)、神奈川では54位栄光学園(18位)、65位県立相模原中等教育学校(45位)、104位県立多摩(49位)、埼玉では56位県立大宮(38位)、77位さいたま市立浦和(25位)、95位県立浦和(19位)となっている。

 次に、新たにランク入りした11校を地域ごとに見ていこう。東京は、10校ある都立中高一貫校のうち3校がランク入りしている。6位小石川、10位桜修館、そして17位三鷹(三鷹市)である。都立高校に比べれば定員も半分以下のところが一般的で、合格実績が合格力として反映しやすい点もあるのだが、23年は南多摩がランク外に。その結果、50位内にあった公立中高一貫校全体の数は、21年7校、22年6校、23年5校と減少してきており、その勢いは少し足踏みしているようだ。

 神奈川では、桐蔭学園中等教育学校が毎年順位を上げている注目校だろう。他は22年に続きランクインしている。県立高6校は、8位横浜翠嵐(横浜市神奈川区)、12位柏陽(横浜市栄区)、16位湘南(藤沢市)、39位厚木(厚木市)、44位横浜緑ケ丘(横浜市中区)、48位川和(横浜市都筑区)のいずれも、24年度から指定される学校も含め、学力向上進学重点校であり、県教育委員会の思惑通りという感じだろうか。重点校の残る2校は、23年にランクを下げた104位多摩(川崎市多摩区)と、119位小田原(小田原市)である。

 千葉では、県立御三家の千葉(千葉市中央区)、東葛飾(柏市)、船橋(船橋市)に加えて、県立千葉東(千葉市稲毛区)が49位にランク入りした。女子生徒を中心に最寄り駅が同じ千葉大に多く進学する傾向にあるが、「早慶上理」218人、「MARCH」477人と、難関私立大の合格実績も積み重ねてきている。

 大阪からは、7位茨木と26位豊中(豊中市)がランク入りした。大阪では、旧9学区のトップ校に豊中を加えた府立高10校がグローバルリーダーズハイスクール(進学指導特色校)に指定されているが、この2校もそこに含まれる。国公立大志向の強い関西圏の場合は、併願先としての「関関同立」でどのくらい合格が得られたかにこの難関私立大合格力は左右される。茨木は908人、豊中は903人と、圧倒的な「関関同立」合格者を得たことがランク入りの背景にある。同じ特色校の北野(大阪市淀川区)は430人、天王寺(大阪市阿倍野区)は358人ということからも、力の入れ具合の違いが分かるだろう。

 兵庫は、36位西宮市立西宮が安定的にランクを維持している。23年は「関関同立」757人と、22年より50人以上増やした。県立神戸(神戸市灘区)の521人、県立長田(神戸市長田区)の413人と比べても、段違いの合格者数だ。もう1校、ぐんぐんランクを伸ばしている47位県立尼崎稲園(尼崎市)は全国初の単位制高校の一つで、643人が「関関同立」に合格した。この2校は阪急沿線にある。