
丸山義正
米連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長は8月22日のジャクソンホール経済政策シンポジウムにおいて、利下げ再開に半歩の前進を示した。政策金利の据え置きが続いてきた米国の金融政策運営は一つの節目を迎えそうである。

米Fedは利上げペースの想定を大幅に引き下げた。経済や物価動向の見通しも相当に慎重である。だがこれは“過度にハト派的”であり、今後はむしろ利上げ加速の可能性が高いと丸山義正・SMBC日興証券チーフエコノミストは指摘する。

米国経済の先行きに対して悲観する声をよく聞くが、主要国の中で唯一高成長を期待されていた米国経済に裏切られ、「可愛さ余って憎さ百倍」という雰囲気が漂っている。これまで「下押し圧力」とされてきたポイントを挙げ、復調の兆しを読み解こう。
