
貫 啓二
串カツ田中の第1号店がオープンしてから11年で店舗数は約270店舗に増えた。これほど急成長した理由について、ともすると串カツ屋という業態の珍しさに目が向きがちだが、それだけではない。出店立地の大半は住宅地。また、従来は男性客が多くて入りづらい雰囲気の串カツ屋で、いち早く全席禁煙に乗り出すなど、子連れ客も入りやすい店にした。こうした居酒屋経営の常識を覆す数々のアイデアはどこから生まれてきたのか。前回に続き串カツ田中社長のインタビューをお送りする。

「串カツ田中」を全国で約270店舗を展開する串カツ田中ホールディングス。創業者の貫啓二社長は、高校を卒業してトヨタグループの会社員となるが、自由に生きたいとの思いから飲食業を起業。さまざまな苦労を経て、11年前、東京ではなじみの薄かった串カツ屋という金脈にたどり着いた。カネなし、学歴なし、経験なし。経営のド素人だった会社員は、いかにして一大チェーンを築き上げたのか。
