串カツ田中の第1号店がオープンしてから11年で店舗数は約270店舗に増えた。これほど急成長した理由について、ともすると串カツ屋という業態の珍しさに目が向きがちだが、それだけではない。出店立地の大半は住宅地。また、従来は男性客が多くて入りづらい雰囲気の串カツ屋で、いち早く全席禁煙に乗り出すなど、子連れ客も入りやすい店にした。こうした居酒屋経営の常識を覆す数々のアイデアはどこから生まれてきたのか。前回に続き串カツ田中社長のインタビューをお送りする。(聞き手・構成/ダイヤモンド編集部 松本裕樹)
串カツ田中の模倣店に危機感
フランチャイズで急拡大へ
串カツ田中の1号店をオープンした後、続く2号店、3号店も大繁盛しました。
すると、どこで聞きつけたのか、飲食関係の雑誌からの取材依頼が来るようになりました。しかし、当社の記事が出されたら、あっという間に他店にまねされてしまう。それが怖くて、取材はすべて断っていました。
ところが、ついに看板も内装も串カツ田中にそっくりな店が出てきました。さっそく、その店に行って串カツを食べてみたのですが、全くおいしくない。これは大問題だと思いました。