エネルギー政策提言集団スキイ
三菱商事が秋田県沖の2海域と千葉県銚子沖で計画されている洋上風力発電の入札で、三菱商事が3件全てを落札したことを巡り、公募した経済産業省・資源エネルギー庁の入札制度や評価に対し、「資本力の勝負となっていいのか」などと疑問の声が上がっている。敗退した企業や業界関係者からの不満に対する経産省の回答に加えて、早くも入札制度そのものを見直そうとする動きを詳報する。

秋田県沖の2海域と千葉県銚子沖で計画されている洋上風力発電の入札を巡り、圧倒的な低価格で3海域全てを落札した三菱商事。衝撃的な価格破壊に対し、敗退したライバル各社からは「この価格でサプライチェーンの構築ができるのか」「請負業者は赤字覚悟で受注するしかない」といった声が上がっている。さまざまな疑問に対する三菱商事側の見解をお届けすると共に、脱炭素の切り札と期待される洋上風力が次世代エネルギー産業の柱となり得るのか探っていく。

脱炭素の切り札として期待される洋上風力発電プロジェクトの「第1ラウンド」は衝撃的な結果となった。三菱商事グループが秋田県と千葉県の計3エリアで全勝したのだ。圧倒的な価格競争力を武器にした三菱商事による総取りは競合他社のみならず、漁業振興を巡るバラマキの地域格差というパンドラの箱を開けたのかもしれない。
