玉野和志
あると助かるけど自分はやりたくない…町内会が「タダ乗り住民」に食い潰される前に選ぶべき道
盆踊り、子ども会、町内掃除や見回りなど町内会の活動は多岐にわたるものの、常にマンパワー不足の状態にあり、維持することが難しくなっている。特別な権力も財力もなく、ひたすら人々の公共心にのみ訴えかけて、50年以上も維持されてきた奇跡の民間団体を存続するには、どうすればよいのか。※本稿は、玉野和志『町内会 ――コミュニティからみる日本近代』(ちくま新書)の一部を抜粋・編集したものです。

町内会はなぜ「全戸加入」になったのか?実は意外と近代的な組織だった
「加入するメリットがわからない」「面倒だから入りたくない」という声もある町内会。地域住民による古臭い組織のように思われがちだが、かつての町内会は住民それぞれの知恵や力を寄せ合って町の発展に寄与する、オープンな組織だったという。そんな町内会が「全戸加入」を原則に掲げるようになった意外な理由とは?※本稿は、玉野和志『町内会 ――コミュニティからみる日本近代』(ちくま新書)の一部を抜粋・編集したものです。

「町内会って何かメリットあるんですか?」加入率ダダ下がりの苦しい事情
「町内会って何?」と思われるのも、いまや当然か。全戸加入が原則なのに、東京23区内では、1970年頃には加入率が50%を切っている。三鷹市、調布市、国分寺市、小平市、小金井市でも、2000年代初めに50%台まで落ちた。さらに外縁部の立川市、八王子市、町田市でも右肩下がりだ。こうも加入率が落ち続けているのは、東京だけの現象ではないだろう。そんな、町内会の意味を問い直す。※本稿は、玉野和志『町内会 ――コミュニティからみる日本近代』(ちくま新書)の一部を抜粋・編集したものです。
