高野蒼太
第2次トランプ政権は公約通り、関税引き上げによる貿易戦争を世界に仕掛けている。1月20日の就任からわずか2週間後の2月4日に中国からの輸入品に対して10%の追加関税を実施。3月4日には中国への関税を追加で10%引き上げたほか、メキシコからの全輸入品と、カナダからのエネルギーなどを除く輸入品に対する25%の関税を発動した(カナダからのエネルギーなどの輸入品に対しては10%)。

フランスの財政に対する不安がにわかに高まっている。フランスの信用リスクの指標とされるフランス国債とドイツ国債の利回り格差(対独スプレッド)は、2024年6月の欧州議会選挙で極右政党が大躍進を果たしたことや、それを受けてマクロン大統領が国民議会(下院)の解散・総選挙の実施を表明したことをきっかけに大きく上昇した。その後は概ね横ばい圏で推移していたが、このところの国政の混乱を受けて再び上昇傾向に転じ、足元では2000年代末に欧州債務危機の震源地となったギリシャの同指標とほぼ同水準となっている。

ドイツの連立政権が予算案を巡る対立から崩壊し、年明けにも解散総選挙が実施されることになった。ドイツのショルツ首相は11月6日、リントナー財務大臣の解任を発表。同日、リントナー氏は自身が率いる自由民主党(FDP)の連立離脱を表明し、「信号機連立」(各党のイメージカラー(社会民主党(SPD):赤、FDP:黄、緑の党:緑)からそう呼ばれる)の崩壊が決定的となった。
