
赤井俊文
中国の自動車大手BYDが、習近平政権が出した新規制の影響で、シェア拡大戦略に大きな転換を迫られている。グローバル展開で主戦場の東南アジアにおいても、成長の足かせになりそうだ。トランプ関税の影響も含め、中国EVと日本車の行方を取材した。

残念ですが、中国BYDがちょっとピンチかも…習近平の新規制で狙い撃ちされたワケ
中国の自動車大手BYDに暗雲が立ち込めている。BYDの世界販売台数は2024年ランキングで堂々の第7位、ホンダや日産自動車を抜き去り、フォードに肉薄するまで上り詰めた。しかし習近平政権が6月に出した新規制の影響で、資金調達やサプライチェーン戦略に大きな転換を迫られている。グローバル展開で主戦場の東南アジアにおいても、成長の足かせになりそうだ。

日本車の牙城だった東南アジア市場では今、中国・韓国EVの勢いがすごい。日産自動車は5年前にインドネシア工場を閉鎖したことで、販売店は中国EVに取って代わられた。ホンダとの統合が破談し、リストラ策でタイ工場も閉鎖するが、タイではスズキとスバルが工場閉鎖、ホンダも生産能力を半減する。さながら日系自動車の生産撤退ラッシュだ。インドネシアの自動車市場における変化が、近い将来タイでも起きる気がしてならない。

日産自動車が工場閉鎖の波紋...販売店「まさかの居抜き」に目を疑った【現地ルポ・写真多数】
日産自動車がリストラ策でタイ工場を閉鎖する。日本車の牙城だった東南アジア市場では今、中国や韓国勢のシェアが伸びている。日産は5年前にインドネシア工場を閉鎖したことで、販売店は中国EVのショールームに変わってしまった。インドネシアの自動車市場で起きている“地殻変動”を現地からリポートする。
