
2025年の世界経済は、貿易摩擦下でも3.2%成長へと上方修正される底堅さを見せました。しかし、2026年は欧米中日の足並みが大きく乱れる「格差の年」となる見通しです。利下げというチャンスを掴みつつ、財政懸念や地域別の逆風をどう回避すべきか。BNPパリバ・アセットマネジメントの最新見通しを凝縮し、2026年の金融市場の歩き方を提示します。
2025年の世界経済は想定外の強気着地に
貿易摩擦が続くにもかかわらず世界経済は「3.0%→3.2%」に加速
2026年の最初の連載になりますので、今回はBNPパリバ・アセットマネジメントが毎年発行している「2026年の投資見通し」より、経済・市場の展望をまとめたいと思います。
まず、2025年の振り返りから。
2025年の世界経済は、驚くほどの底堅さを示しました。2025年10月14日に国際通貨基金(IMF)が公表した最新の経済見通しでは、貿易摩擦が続いているにもかかわらず、経済活動の回復を支えとして世界の成長率予想を従来(7月時点)の3.0%から3.2%に引き上げました。
ただし、経済見通しは、地域ごとに異なる様相となっている点には注意が必要です。
欧州は、ドイツで財政政策の大幅な見直しが行われるなど政策不安が和らぎ、インフラと防衛支出の増加を支えに経済成長が加速する見通しです。一方で米国は、相反する政策が入り混じる状況の中にあり、関税や緩和的な財政スタンスなど複雑なマクロ経済環境に直面しています。こうした中でインフレ圧力が高まると予想していますが、米連邦準備制度理事会(FRB)が労働市場のリスクをより重視するようになっているため、必ずしもインフレ抑制策を急ぐとは限りません。
また、アジアでは、中国の成長がさらに緩やかになると予想されています。日本も2025年の1.1%程度の成長から再び0.6%に減速する見通しとなっています。
「利下げ」と局面で柔軟な投資戦略が問われる
市場の「細分化」に適応して投資戦略を考えよう
続いて、2026年の金融市場の見通しについてです。
2026年の投資戦略を左右するのは、「金融政策」「財政動向」「市場の構造変化」といった要因の相互作用です。
債券市場については、米国と欧州で利下げが予想される中、中央銀行の金融緩和姿勢の継続から恩恵を受ける見通しです。特に先進国では、財政懸念から国や国際機関が発行する国債などのソブリン債利回りに上昇圧力がかかる可能性がありますが、相対的に高い利回り水準と堅調な企業ファンダメンタルズを背景に、社債などのクレジット市場にとって良好な環境が続くと見ています。
株式市場は、引き続きテクノロジー主導になると予想しています。人工知能(AI)が設備投資と生産性向上の原動力となり、米国のテクノロジー企業の収益は堅調に増加する見込みです。また、欧州は戦略的自立の強化を目指しています。さらに、欧州株は割安な水準にあり、長期投資家に幅広い投資機会をもたらすことが期待されます。
新興国については、テクノロジーセクターが強い国は、米国債の利回り低下と米ドル安から恩恵を受けるでしょう。ただ、輸出主導型の国は逆風に見舞われる可能性があります。
2026年の投資戦略としては、このような世界経済における細分化の動きに適応して、投資家は柔軟な投資スタンスと選別力が不可欠となりそうです。
藤原延介(ふじわら・のぶゆき)●1998年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。マーケティング部 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応大学経済学部卒。
20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
ダイヤモンド・ザイでは1年に1回、「NISAで買える本当にイイ投資信託」を部門別にランキングし、上位のファンドを表彰している。人気や知名度ではなく、データを最重視した完全実力主義のアワードだ。「1.どれだけ上がったか(上昇率)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの独自基準で評価を行う。また、非常に人気があり多くのお金を集めているにもかかわらず成績が振るわない投資信託も、「もっとがんばりま賞」として発表している。
<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧
▼日本株総合部門
▼日本中小型株部門
▼米国株部門
▼世界株部門
▼新興国株部門
▼リート部門
▼フレッシャー賞
▼もっとがんばりま賞
▼(番外編)インデックス型「最安ランキング」
▼当グランプリの「選定基準」はこちら⇒https://diamond.jp/articles/-/363017
本記事は2025年12月27日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。





