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白根英昭
ブランドとCXを1枚の図で描く最初の一歩は、企業にはびこる「三つの認識」を取り払うこと
ブランドとCX(顧客体験)は、同じ顧客に向き合っている。にもかかわらず、多くの企業ではブランドはマーケティングの仕事として、CXはオペレーションやカスタマーサービスの仕事として扱われている。なぜ、同じ顧客の感情の記憶をつくっているはずの営みが、企業の中では別々のものに見えてしまうのか。そこには組織の捉え方、ブランドの捉え方、企業と顧客の関係の捉え方という三つの認識のずれがある。本稿ではブランドとCXの一体化を妨げるそれらのずれを明らかにし、主語を企業から顧客へ移すことの意味を考える。

経営者が「CXは重要」と言いながら投資に本腰が入らない本当の理由とは
「それは、売り上げにどうつながるのか」——CX(顧客体験)に取り組む現場が、経営会議でしばしばぶつかる問いである。多くの企業は、CXの重要性を理解している。にもかかわらず、投資判断の場面になると議論は止まる。なぜか。問題は、CXのやり方にあるのではない。ブランドとCXを別々のものとして扱っていることにある。ブランドを「顧客の感情の記憶」と捉え直すと、CXは単なるサービス改善ではなく、将来の収益を左右する経営課題として見えてくる。本連載では、ブランドとCXをつなぐことで経営がどう動きだすのか、その原理と実践を論じていく。
