ダイヤモンド・ザイでは、ザイ読者10人の保有する投資信託が「いい投資信託」なのか「悪い投資信託」なのか、プロに診断してもらう特集『行列ができる投信診断室』を掲載。診断してくれたのは、長年投資信託に携わってきた経験を活かし、投資信託を評価するデータベース「ファンド・ラボ」を開発した「投信の窓口」ファンド・リサーチセンター長の植村佳延さん。今回は、2種類の債券型ファンドを保有する読者への診断を抜粋して紹介しよう!
石橋典夫さん(仮名・青森県・42歳)
大きなリスクは取りたくない安定運用志向で、日本債券を組み入れたファンドと為替ヘッジ型の世界公共インフラ債券ファンドに投資。しかし、本当にリスクを抑えられているか、肝心の利回りに問題ないかが不安。
★石橋さんが保有する投資信託
◎「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」
◎「UBS世界公共インフラ債券投信(円コース)」
石橋さんの保有銘柄の診断結果(1)
⇒「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」(保有額の68%)
日本の国債や地方債、社債などに投資する日本債券型の投資信託は、低リスクで安定的にプラスの成績を上げていましたが、問題が浮上しています。日銀がマイナス金利政策を導入し、10年物国債の満期まで保有した場合の最終利回りがマイナスとなってしまったのです。
低コストのインデックス型にも影響は大きく、「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」の保有債券の現在の平均最終利回りは0%。そこから信託報酬の0.17%を引くと、マイナス0.17%になります。
さらに金利が低下すれば、債券価格の上昇で値上がり益が狙えますが、金利が横ばいの場合は、運用収益で信託報酬をカバーできず、成績悪化は避けられません。低コストのインデックス型でも「日本債券型だから安心」という認識は改めるべきです。
石橋さんの保有銘柄の診断結果(2)
⇒「UBS世界公共インフラ債券投信(円コース)」(保有額の32%)
もう1つの保有投資信託「UBS世界公共インフラ債券投信(円コース)」は、インフラ債券に投資する通貨選択型の円コース型。為替リスクを排除できるのが、この円コースや為替ヘッジ型ですが、ヘッジ取引の需要が強いこともあり、円からドルに投資するヘッジコストが上昇しています。
「UBS世界公共インフラ債券投信(円コース)」も、最終利回り1.84%から信託報酬の1.65%を差し引くと0.19%。ヘッジコストを差し引くとマイナスで、今後成績が悪化する可能性があります。
ポートフォリオの診断結果は…
為替リスクがない債券型投信も
低金利とヘッジコストで危険な状況!
安定的な資産増を目的に低リスクの日本債券型を買うのは従来は悪くない方法でしたが、マイナス金利政策の導入により、投資信託が保有する債券の最終利回りが信託報酬を下回り、成績悪化リスクが高まっています。
国債は日本も先進国も低利回りですが、先進国の投資適格の普通社債などを含む投資信託なら信託報酬を上回るものがあります。月次レポートなどを見て、最終利回りと信託報酬を確認して投資することが大切です。資産の傾向もチェックしましょう。
債券型から独立系投信、ラップ型投信まで多様な投信を診断
ダイヤモンド・ザイ1月号の「投信診断室」をチェック
今回は、為替リスクがないタイプの債券型ファンドで運用している石橋さんの例を紹介した。ダイヤモンド・ザイ1月号の「行列ができる投信診断室」特集では、10人の読者の投資信託を診断。債券型だけでなく、日本株型、外債型、独立系投資信託、ラップ型投資信託など、多様な商品を診断しているので、投資信託で運用している人、もしくはこれからしようと考えている人は、是非参考にしてみてほしい。
また、現在今回診断をしてくださった「投信の窓口」ファンド・リサーチセンター長の植村佳延さんが解説する『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ザイと投資信託の窓口が作った投資信託のワナ50&真実50』も発売中!全国の書店やアマゾン、楽天ブックスなどで、ぜひチェックを!
なお、12月21日にはダイヤモンド・ザイ2月号が発売! 今後も期待大の高配当株&成長株、好成績投信&毎月分配型投信が見つかる「株全予測&儲け方」と、3カ月に一度の人気企画「人気の株500激辛診断!」が載っている。
さらに、庶民にも大増税が迫る中での「富裕層に学ぶ節税対策」、「2万5000人への調査でわかった! 金融知識の欠如が老後破綻を招く日」などの読み物・マンガも充実。別冊付録「不動産収入で老後のゆとりを確保!」も付いてくる。あの桐谷さんが「株主優待で0円婚活」にチャレンジ! その結果は如何に?
【ダイヤモンド・ザイ1月号からおすすめ記事をピックアップ!】
■「いい投信」「悪い投信」をプロがメッタ斬り!悩める読者が保有する投資信託それぞれの評価と投資目的と全体のポートフォリオを徹底診断!
■「ひふみ投信」「鎌倉投信」、2つの独立系投信への投資信託のプロの評価はまったく異なる結果に!人気の独立系投信の正しい選び方&ポイントを紹介!
■2017年、日本株投資で勝つポイントを「成長株」「高配当株」投資の2人のプロが伝授!トランプ大統領誕生で注目の日本株とは?
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■「高配当」を維持できる銘柄の「3つの条件」とは?成熟産業ながら「シェア」と「利益率」が高く、業績が成長&連続増配している高配当銘柄を紹介!
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