先日、あるミドルマネジャーからこんな相談を受けました。

 「1人年上の部下がいるんです。もう50歳を過ぎて後が短いから、どうでもいいんでしょうね。仕事に身が入ってないんですよ。仕事が合わないと言うから、『どこか希望する異動先がありますか』って聞いても『特にないと』言うだけで・・・・・・。正直、手を焼いちゃってるんですよ。定年まで待つしかないんですかね」

 さすがに50歳を過ぎたところで「後が短い」と言われると辛い気もしますが、10歳以上年が離れた若手のミドルにとっては、そう思えるのかもしれませんね。

 皆さんも、同じような経験や悩みを持っていませんか?

 以前は管理職だった人が、降格や役職定年で一般職になっているケースは、世の職場において少なくありません。

 その人がかつての職場の先輩で、色々と仕事を教えてもらった経験があったりすると、ミドルはなおさら複雑な心境でしょう。

 年上の部下を持つミドルマネジャーに話を聞くと、異口同音に「役職は下でも、年長者に対する礼儀はちゃんと守るようにしているし、言葉遣いには気をつけています」という返事がきっぱりと返ってきます。

 しかし、このような関係性においては、仕事のアサインや進捗管理の話になるとお互いに歯切れが悪くなり、うまくコミュニケーションをとるのが難しくなる可能性もあります。

実は、年上の部下のホンネは
周囲のイメージとかなり違う?

 では視点を変えて、年上の部下(以下、シニアと呼びます)は、どんな風に思っているのでしょうか? ちょっと彼らの独白を聞いてみましょう。

 「私も会社の成長期に一時代を過ごしてきて、貢献をしてきたという自負はあります。ちょうど、若手としてバリバリやっているときがバブル期と重なったので、大きな仕事を担当しました。今でも胸を張って語れるほど、いくつも成功体験を積みました。まだまだ実力は落ちていませんよ」