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貸し会議室から旅行手配まで
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ティーケーピー社長 河野貴輝

週刊ダイヤモンド編集部
【第122回】 2010年8月16日
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ティーケーピー社長 河野貴輝(撮影:Toshiaki Usami)

 ティーケーピー(TKP)は全国で506室の貸し会議室を保有している。今年4月に行われた事業仕分け第2弾の舞台となったのも、「TKP東京駅日本橋ビジネスセンター」だった。

 「広さと立地、コスト、テレビ中継機材の搬入や警備のしやすさなどのソフト面が評価されて入札に成功した」と社長の河野貴輝は言う。

 貸し会議室とはその名のとおり、立地のいい場所や遊休不動産をビルオーナーから借り受け、その部屋を時間貸しするビジネス。2005年の設立以来、2ケタ成長を遂げ、現在の年商は35億円に達する。

 「自社でセミナー室を保有すれば維持費や家賃がかかるが、貸し会議室なら時間単位のコストですむ。椅子やマイクなどもすべてTKPが用意しており、主催者には面倒をかけない」と、河野は胸を張る。

 TKPを設立するまで、河野は金融畑を歩いてきた。大学卒業後に伊藤忠商事を選んだのも、職種別採用で為替証券部への内定が決まったためだ。起業するには資金が必要、その資金を貯めるには金融マーケットの知識が必要と考えて選んだ道だった。

子ども時代から事業欲
ネット証券立ち上げに参画しノウハウを学ぶ

 転機が訪れたのは1998年。伊藤忠がネット証券への参入を決め、河野がその新会社(今のカブドットコム証券)の立ち上げメンバーの1人に抜てきされたのだ。当時はインターネットの普及が始まったばかり。ここで貪欲にネットの知識を学んだ。

 自宅ではネットを知る目的でネットオークションに参加。フリーマーケットで数百円程度で仕入れたアイドルのグッズが数千円で落札され、思わぬ小づかい稼ぎになった。出品者の立場から入金確認のため銀行に出向くわずらわしさを感じているとき、上司がネット銀行の設立を計画。河野も思い切って伊藤忠を退職した。

 それがイーバンク銀行(現楽天銀行)である。河野は取締役営業本部長として、資金集めやマーケティングに奔走した。

 仕事自体にはやりがいを感じていたが、05年に転機が再び訪れた。学生時代の友だちの事故死に、人生は一度きりだとあらためて思い知らされ、自分がやりたいことを見つめ直した。起業したくて金融の道を選んだこと。商売をやっている祖父に憧れ、小学生のときに「子ども店長」と名乗って海の家を切り盛りしたこと。これらを思い出し、自分の夢だった独立を決意した。

 その頃、ある知り合いから情報が舞い込んだ。取り壊しの決まっている3階建てのビルで、1階のレストランが出ていかなくて困っているという。ピンとくるものがあり、出かけると、「相場の3分の1でいいから借りてくれないか」と持ちかけられた。

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