スズキ自動車 新型「ジムニー ノマド」発表会スズキ新型「ジムニーノマド」発表会 Photo:SANKEI

2月3日午後、スズキは「ジムニーノマド」について「1月30日の発表から2月3日までの5日間で5万台もの受注となり、一時オーダーストップする」と発表しました。半導体不足が原因ではなく、純粋な受注爆増でオーダーストップになる事態は久しぶりです。ノマドの魅力は複数あるのですが、突き詰めるとある理由に行きつきました。「ユーザーが本当に乗りたいクルマ」とは何か、他の自動車メーカーの人たちにも、よくよく考えてほしいものです。(モータージャーナリスト/安全運転インストラクター 諸星陽一)

ジムニー「5ドア」発売でお祭り騒ぎ!
新車が高い時代の「低価格」に狂喜乱舞!

 1月30日、スズキがジムニーの5ドアバージョンにあたる「ジムニーノマド」を発表しました。ジムニーに5ドアが設定されるのは、55年にわたる同車の歴史上初めてのことです。

 実はジムニーの5ドアモデルは、2023年1月にインドで発表されて以降ずっと注目の的で、並行輸入車で400万円前後の値が付くほどの人気ぶりでした。なので日本発売が発表された瞬間、SNSを中心に「待ってました!」とジムニーノマドに関する情報があふれ出し、お祭り騒ぎ状態です。

 その理由の一つが、5MTモデルで265万1000円、4ATモデルで275万円という価格設定。特に近年は新車の値段が高く、購入に二の足を踏む人が増えています。軽自動車ではない小型車のジムニーノマドが、300万円を大幅に割り込む価格を設定したことに、多くの人が大歓迎しているのです。

 ジムニーには1.5リットルエンジンを搭載する「ジムニーシエラ」というバリエーションがありますが、シエラのボディはジムニーと基本同じで、オーバーフェンダーの取り付けなどによって少し幅が広がっている程度です。

 一方、ジムニーノマドは全長とホイールベースが340mmも延長され室内が広々としています。搭載されるエンジンやミッションなどはシエラと同じで、1.5リットルエンジンにパートタイム4WDを装備。5MTと4ATを設定。衝突安全装備も充実し、4ATモデルには待望の追従式クルーズコントロール(ACC)も装備されました。