腰痛の軽減方法、
最も効果的なのは生活習慣の是正かも
腰痛を改善するには、従来の治療法を試すよりも不健康な生活習慣を見直す方が大きな改善効果を見込める可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。
腰痛持ちの患者のうち、生活習慣指導を受けた患者は標準的なケアを受けた患者に比べて、腰痛により日常生活が障害される程度が軽減し、生活の質(QOL)が向上したという。シドニー大学(オーストラリア)のChristopher Williams氏らによるこの研究結果は、「JAMA Network Open」に1月10日掲載された。
Williams氏は、「腰痛を治すには、腰以外の部分にも焦点を当てる必要がある。われわれの体は機械ではなく、複雑な生態系(エコシステム)のようなもので、多くの要因が相互に影響し合うことで、どのように機能し感じるかが決まる。腰痛もそれと同じだ」と話す。
この研究では、活動制限を伴う慢性腰痛を持ち、1つ以上の生活習慣リスク(過体重、不適切な食生活、身体活動不足、喫煙)を有する346人(平均年齢50.2歳、女性55%)を対象に、研究グループが考案した健康的な生活習慣プログラム(Healthy Lifestyle Program;HeLP)の腰痛軽減効果が、ガイドラインに則った標準的なケアとの比較で検討された。
HeLPは、ガイドラインに基づくケアに加え、健康的な生活習慣についての教育(冊子やウェブポータルへのアクセス)やサポート(理学療法士や栄養士とのセッション、電話での健康指導)などを提供する包括的なプログラムである。