「集中力が続かない子」に変化が…家庭でできる簡単トレーニングとは?モロー反射が残っているお子さんは、体を広げる動作や動きそのものに恐怖を感じることも。慣れるまでは大人と一緒に楽しく行えるものを選ぼう(写真はイメージです) Photo:PIXTA

集中力が続かない・姿勢が悪い・体幹が弱い・言葉の遅れなど……子育て中のみなさんの中には、わが子に悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。熱いものに触れたとき無意識に手をひっこめるといった、脳幹がつかさどる「反射」のなかでも「原始反射」を統合させることで、その悩みは改善するといいます。松本哲さんの『楽しく遊びながら子どもの「発達」を引き出す本』(青春出版社)から、一部抜粋してご紹介します。

感覚過敏と原始反射

 原始反射は、生まれたばかりの赤ちゃんが生き延びるために必要なもので、成長にともなって消えていきます。中でも「モロー反射」は、すべての原始反射のベースになっている反射です。

 赤ちゃんは、まわりで大きな音がしたときなどにビクッとして、両手を広げて抱きつくような動きをします。これがモロー反射です。

 この反射は脳幹の中の「中脳」が影響しているといわれており、目や耳からの情報に反応しています。だから大きな音や光に反応するのです。諸説ありますが、生後4カ月頃に消失するといわれています。

 モロー反射は音、光、痛みなどの感覚刺激によって誘発されることが多いため、突然の物音や光、視野に急に動くものが見えること、また、痛みやにおいなどにも敏感になります。これらのものに反応してしまうのは、臆病や怖がりだからではなく、ただの反射なのです。

 目や耳などからくる情報を過剰に受け止めてしまうため、集中力が低下しやすくなります。たとえば授業中に友だちがちょっと動いただけでも気になって、先生のほうを見ることができなかったり、話を聞くことができなくなったりすることもあります。