訪問先で「苦手な飲み物」を出されたとき、感じのいい人は何と言ってお断りする?
それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さんです。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか? この連載では、「顧客ロイヤルティ」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきたノウハウを、さらにわかりやすくお伝えします。本稿では、本書には入りきらなかった「気づかいのコツ」について紹介しましょう。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
「苦手な飲み物」が出されたら
訪問先で飲み物をすすめられたとき、皆さんはどうしていますか?
丁寧に出していただくのはありがたいものですが、もし苦手な飲み物が出てきたら少し困ってしまいますよね。
特に、コーヒーや紅茶はよく提供されますが、好みが分かれる飲み物でもあります。
以前、私には体質的にコーヒーが飲めない同僚がいました。
ある日、同行した訪問先で「どうぞ、冷めないうちに」とコーヒーを勧められたとき、彼女の言葉がとても素敵だったのを覚えています。
彼女は、「お気づかいありがとうございます。いい香りですね」と丁寧にお礼を伝えたあと、「ただ実は、体質の関係でコーヒーがいただけないんです」と素直に伝え、「お気持ちだけ、ありがたく頂戴いたします」と付け加えました。
丁寧さを感じさせる「上手な断り方」だと思いました。
不快な印象を与えずに「自分の気持ち」を伝えよう
同じように、オフィスでの会話でも「苦手な話題」や「興味が持てない話題」が出てくることがあります。
感じよく距離を置くためには、まず一度は相手の話に耳を傾け、それから「実はそのジャンル、前から苦手なんです」「〇〇については、本当に詳しくなくて…」と伝えるのが良いでしょう。
相手の話が長いと感じたときは、「その話題、興味がある方多いですよね」と共感を示しつつ、「実は私も趣味があるんです。お話ししてもいいですか?」と続けると自然に話を切り替えることができます。
相手に不快な印象を与えずに、自分の気持ちを正直に伝えられる、一つの方法です。
「感じのいい人」とは、相手を気づかいながらも無理をせず、自分の気持ちを率直に伝えられる人かもしれません。
小さな気配りと少しの勇気を持って、自分らしいコミュニケーションを心がけたいですね。
(本記事は、『気づかいの壁』の著者・川原礼子氏が特別に書き下ろしたものです。)
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)が初の著書となる。