おなか周りの脂肪、血糖値が気になる…そんな人も安心のチョコレートとは?Photo:123RF

 一昔前は「本命」だ「義理」だと気が重かった聖バレンタインデーだが、近年は家族や友人とカジュアルに贈り物を交換する日に変化している。

 おなか周りの脂肪や血糖値を気にしている人に贈るなら「ダークチョコレート」が良さそうだ。

 米ハーバード大学公衆衛生大学院の研究者は、米国の看護師と医療従事者が参加している集団疫学調査のデータを使い、チョコレートの種類および摂取量と2型糖尿病(2DM)発症との関連を調べている。

 対象者は看護師研究参加の女性6万3798人(平均年齢52.3歳)、看護師研究2に参加した女性8万8383人(同36.1歳)、そして医療従事者研究に参加した男性4万27人(同53.1歳)だ。

 2年ごとに自己報告と担当医の補足質問でフォローアップし、2DM発症リスクを評価している。

 最長2021年までの追跡期間中、1万8862人が2DMを発症しているが、個々の生活習慣や食習慣の影響を調整して評価した結果、あらゆる種類のチョコレートを週に5サービング(1サービングはおよそ30グラム)以上食べていた集団の2DM発症リスクは、毎月1サービング未満の摂取群よりも10%低かった。

 次にチョコレートの種類別に検討した結果、ダークチョコレートを週に5サービング以上食べていた群の2DM発症リスクは、月に1サービング未満より21%有意に低下していたのである。

 さらに詳しく解析すると、ダークチョコレートの食べる量が増えるにつれて、2DM発症リスクが減ることも判明している。

 ミルクチョコレートに関してはリスク低下作用が認められず、逆に体重増加との関連が示された。

 ダークチョコレートは一般にカカオ濃度が40~60%のチョコレートを指す。最近は健康志向の追い風もあり、日本でもカカオ濃度70%以上の高カカオチョコレートが手に入りやすくなってきた。

 さすがに毎日チョコレート菓子を食べることはお勧めしないが、気分転換用の一口菓子をダークチョコレートにすれば、甘い誘惑に負ける罪悪感が薄れそうだ。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)