今年こそダイエットするぞと一念発起して運動や食事制限を始めても、三日坊主で終わってしまった――。誰しも一度はそんな経験をしたことがあるでしょう。体脂肪9%の脳医学者である瀧靖之教授に、ジャーナリストの笹井恵里子さんが「無理なく確実に痩せる」コツを聞きました。(東北大学加齢医学研究所教授 瀧 靖之、ジャーナリスト 笹井恵里子)

脳医学者が教える
「三日坊主にならない」方法とは?

東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授/撮影:今井一詞

 運動しようと思って筋トレを始めても、ダイエットをしようと思って食事制限をしても3日や1週間で終わってしまう――。第1回の記事で、人には変化を避けて今のままでありたいという「現状維持バイアス」があるため、三日坊主は普通なのだとお話ししました。

 だからといって新しい習慣を続けるために、強い意志が必要なわけではありません。脳科学的にポイントは二つあり、これを守れば誰でも続けることができるのです。ダイエットや筋肉量の維持に効果的な「運動の習慣化」に利用してください。

 ひとつは、無理をせず楽しくやるために、「スモールステップ法」を心がけること。腕立て伏せやスクワットを1日1回、2回から始めるんです。それならハードルが低く、取り組みやすいでしょう。そして1日1~2回を必ず1週間は続けるようにするとよいです。

 1週間続けられたら、次は3回、5回……とだんだん回数を増やしていきましょう。回数が増えていくとしんどいときもあるかもしれません。でも慣れてくるとだんだん楽に感じるようになってきて、やがて始めた当初では想像もつかないほどできるようになるものです。私も最初は数回から始めて、毎日継続し、今では腕立て、腹筋、スクワットなどトータルで1日100回以上を行えるようになりました。