俳優の柳葉敏郎と
演歌歌手の藤あや子
秋田県の東部にあり、「みちのくの小京都」といわれる仙北市角館(かくのだて)町。県立角館高校は2014年に、旧制角館高等女学校を前身とする角館南高校(女子校)を統合した。統合校なので、二つの校風を受け継いでいる。25年には、創立100周年を迎えた。
テレビなどでおなじみの、俳優と演歌歌手がいる。とりわけ中高年の間で、人気が高い。
「ギバちゃん」の愛称で親しまれている柳葉敏郎(1961年1月生まれ)が、角館高校の生え抜きだ。高卒後に上京し劇団ひまわりに入団、「一世風靡セピア」のメンバーとして歌手デビューした。1983年頃からバラエティー番組に、88年以降は多くのトレンディードラマに出演した。
1997年から放送された『踊る大捜査線』シリーズ(フジテレビ系列)やその後の映画化で、室井慎次役を演じ大ブレイクした。義理人情の昭和的な価値感を前面に出し、秋田的ローカル色もにじみ出た室井役は、まさに柳葉のはまり役だった。
24年秋に公開された映画『室井慎次 生き続ける者』では、秋田でのロケ風景をふんだんに取り入れている。
教育環境の良い田舎で子どもを育てる、という考えを柳葉は抱いており、秋田県内の故郷近くに移住し、仕事のたびに東京や大阪の現場に出かけている。地元の野球チームのアドバイザーや、競馬の馬主としても活動している。
もう一人は、演歌歌手の藤あや子だ。1961年5月生まれだから柳葉より4カ月だけ若い。角館南高校の生え抜きだが、後身の角館高校出身ともいえるだろう。小学4年の時から民謡を習い、高校卒業後は民謡歌手として地元で活動していた。
1987年に『ふたり川』でレコードデビューし、92年に『こころ酒』が大ヒットして、同年のNHK紅白歌合戦に初出場を果たした。以降、スターの道を駆け上がってきた。
女性演歌歌手としては珍しく、自ら作詞・作曲も行っている。極め付きの秋田美人であり、着物メーカーのキャラクターを務めることも多い。
演歌歌手では円山和子もいる。こちらも角館南高校出身で、『角館ワルツ』などが持ち歌だ。
音楽では、作曲家、編曲家の矢野立美がいる。アニメ、テレビドラマ、映画などの劇伴を手がけている。天童よしみの『駄目と言わない女』の作曲、秋元順子の歌の編曲などもしている。
菅原弘明も作曲家、プロデューサーで、ソロ作品の発表やライブなどを手がけている。
作詞・作曲家のha-j(ハージェイ)もいる。2009、10年には2年連続オリコン年間編曲家ランキング1位を獲得した。