自衛隊出身の作家が教える「悪意のある人」の見極め方写真はイメージです Photo:PIXTA

「人生は努力次第でどうにかなる!」と言えないほど、世の中は不平等に溢れている。そんな現代社会という茶番に満ちた戦場を生き抜いていくためには「あえて意識は低く保っておくべき」と著者は語る。適切な距離感を保ちながら周囲の人と信頼を築き、より良い人間関係を育む方法とは。※本稿は、ぱやぱやくん『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。

上手くいかないことは
誰かと一緒に乗り越える

 多くの日本人は、もっと自分のことを大切に考えてもいいはずです。

 皆さんが、自分よりも別の何かを優先してしまうのは、誰もが子どもの頃から抱いてきた、日本に蔓延する「不平等感」が原因かもしれません。

 ときに、日本の学校教育では「人生は努力次第でどうにかなる!」と言われます。しかし、これは間違っていると思います。

 そもそも、人生というのは、生まれたときから人によって大きな差があるからです。

 資産家や大学教授の家庭に生まれ、塾などに通いまくっている子ども。

 ほとんどお金がなく、小学校に行くのがやっとの家庭に生まれた子ども。

 この両者の違いは、日本に生きている皆さんには一目瞭然ではないでしょうか。

 残酷ではありますが、日本では生まれたときにすでに差ができており、人生はスタート地点からすでに不平等な場合も少なくありません。

 私はすごく裕福なわけではないですが、貧乏でもない家で育ちました。

 しかし、小学校、中学校、高校と学校に通う中で、公立校の中にある「裕福な家庭」と「貧乏な家庭」の違いを見てきました。

 また、防衛大学校や陸上自衛隊では、生まれ持った「能力の違い」というものを嫌というほど見せつけられてきました。

 強いリーダーシップがある同期、なんでもそつなくこなす後輩を目の当たりにして、私は「努力をすればなんとかなる」というのは慰めにしか過ぎないとわかりました。

 では、その不平等な社会を前に、私たちは絶望しかできないのでしょうか。私は、そんなことはないと思っています。

 人間は、本当に大切な人と手を取り合うことができるからです。

茶番に満ちた現代社会で
全ては「自衛」から始まる

 現代社会という茶番に満ちた戦場を生き抜いていくためには、あえて意識は低く保っておくべきです。

 ただ、意識を低く設定しつつも、実際に生きていくうえで、私たちはたくさんの人とかかわらなければいけません。

 その中には、自分にとって苦手な人、あまり相性が良くない人もいるでしょう。

 ただ「性格が合わない」くらいなら良いのですが、ときには悪意を持って、あなたに接したり、あなたを利用したりしようとする人が存在しているのも事実です。

 そうした人間関係のテロリストのような人たちから、まずは大切な自分を守る方法について考えていきます。