これまで、前回と前々回の2回にわたって、緊急記者会見における事前準備、会場設営、進行について説明してきました。今回は、緊急記者会見を開く上で最も重要な「中身」(何を説明するのか)についてのポイントをご紹介します。

緊急記者会見で
しなければならないこと

 まず、緊急記者会見でしなければならないことは、次の5つです。

(1)事実の説明:何が起きたのか、事実を説明する

(2)経過と現状:対策本部設置について説明する

(3)原因:確定した原因、あるいは推定できる原因について説明する。究明中である場合には、どのような体制で調査しているのかを説明する

(4)再発防止策:制度の制定、管理委員会の設置など具体的な防止策を打ち出す

(5)責任表明:トップの引責、責任者への厳しい処罰、被害者への賠償等世論が納得する内容で責任表明をする

 これらのことは、すでに作成してあるポジションペーパーに記載されていることですので、内容に説得力を持たせるために、さらに資料などを使って詳しく説明するとよいでしょう。

 この時、ビジュアル素材を用意しておくとよいでしょう。事故の場合には、地図を使用すると場所が明確にわかります。製品トラブルの場合には、実際にトラブルのあった製品を用意し、中身や成分の説明などを行います。

 できるだけ言葉による説明だけでなく、必ず視覚でも納得できるような写真や絵を準備するようにしましょう。ビデオなど映像資料もあれば、なおよいでしょう。