我々は「改革」を「改善」とは考えていません。「改善」は現状の延長線上で変えていくことであり、「改革」は現状を意識するのではなく、新たに創り変えていくことだと考えています。

 この「改革」を実行したときに、我々が重要視したポイントは先輩たちへの配慮等は一切考えないことでした。そういったことは全て忘れ、事業のSWOT分析を行いました。

 SWOT分析では、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の4つの要素から、事業の目指す姿を描きます。この時、目指す姿は現実に則して描いていきます。その上で目指す姿を実現するために、道筋を探していくのです。このときに我々が大事にしたのは5W1Hの考え方です。

 もし新たな事業を手がけたいという社員がいれば、それを認めます。

 その場合、どのように手がけるのか、実際に進めることができるのか、そのうえで、成果を約束できるのかというところまでやります。これでうまくいかなければ、もう一度、「目指す姿」を描くところからやり直します。それをすることで最後に計画ができあがります。

 次に計画の実行にあたっては、PDCAを実施します。

 PDCAを行うにあたり、中計は年度ごとに必ず策定します。予算はそれに基づいて出来上がりますから、それを月次と中間、さらに、年度末の3回チェックします。そのときは数字だけのチェックにとどまらず施策でチェックします。あくまでも施策で約束したのだから、その施策が出来ているかどうか、それらが、どこまでできたかということをチェックしていきます。

 評価は数字のみを重視しません。もし仮に百億儲けて、予算をオーバーして達成したところで、実施した施策が粗雑な場合は評価しません。

 公約した施策がそのとおりにできているかどうかが、大切です。施策が計画したとおりに実行できれば、数字は後からついてきます。そのことを貫いたことが結果的には、実績を上げることにつながるのです。

リーダーとは改革を続けられる人、
軸がぶれない人

 まずリーダーに求められる資質は何かというと、「改革を続けられる人」だと思います。リーダーとは実行力があって何だとか、先見性があって…、といろいろ言われますが、大切なのは「改革を続けられる人」だと思います。これは「改革をできる人」ではなく、あくまで「改革を続けられる人」です。