IPO株の銘柄分析&予想

「オカムラ食品工業」のIPO情報総まとめ!スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他の養殖、水産品加工企業との比較や予想まで解説![2023年10月2日 情報更新]

2023年8月24日公開(2023年10月2日更新)
ザイ・オンライン編集部
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会社名 オカムラ食品工業
市場・コード/業種 スタンダード・2938/食料品
上場日 9月27日
申込期間(BB期間) 9月8日~9月14日
おすすめ証券会社 大和証券SMBC日興証券SBI証券楽天証券大和コネクト証券(旧:CONNECT)DMM.com証券
フィスコ分析による
市場の注目度
★★最高★5つ
初値(初値騰落率) 2564円(+52.62%)
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】

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オカムラ食品工業が9月27日にIPO(新規上場)!

「オカムラ食品工業」の公式サイトより

 オカムラ食品工業は、2023年8月24日、東京証券取引所に上場承認され、2023年9月27日にIPO(新規上場)することが決定した。

 オカムラ食品工業は1971年8月2日に設立された。養殖事業、国内加工事業、海外加工事業、海外卸売事業の4つの事業が柱。サーモンを中心とした川上から川下までの垂直統合型のビジネスモデルで、グローバルに事業を展開し、その結果として、自己資本利益率や売上高営業利益率などの指標において上場会社平均を上回る実績を達成している。

【目次】(クリックで該当する情報へ移動します)
▼いつ申し込んで、いつ購入する?(ブックビルディング期間、上場日など)
▼どこの証券会社で申し込める?(幹事証券会社)
▼いくらで買える?(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)
▼発行株数・単元数・公開規模は?

▼どんな会社?
▼業績データ/業績コメント
▼企業の詳細情報/銘柄紹介
▼投資のポイント

 

オカムラ食品工業のIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する?
(ブックビルディング期間、上場日など)

■スケジュール
仮条件提示 9月7
ブックビルディング(抽選申込)期間 9月8日~9月14日
公開価格決定 9月15日
購入申込期間 9月19日~9月22日
払込日 9月26日
上場日 9月27日

オカムラ食品工業のIPOは、どこの証券会社で申し込める?
(主幹事証券会社・幹事証券会社・委託販売証券会社など)

■取り扱い証券会社(2023年9月11日時点。割当は変更になる場合があります)
証券会社名
(※青文字はクリックで詳細ページへ)
引受シェア 口座開設
大和証券
[最短翌日に取引可能]
1.7%
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SMBC日興証券
[最短即日で取引可能]
1.7%
公式サイトはこちら!
SBI証券
[最短翌日に取引可能]
0.9
公式サイトはこちら!
楽天証券
[最短翌日に取引可能]
0.9
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大和コネクト証券(旧:CONNECT)
[最短3日後に取引可能]
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DMM.com証券
※委託販売の配分がなかったため取扱中止
 
野村證券(主幹事証券) 93.0  
みずほ証券 1.7  

オカムラ食品工業のIPOは、いくらで買える? 割安/割高?
(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)

■価格情報
想定発行価格(※1) 1680
仮条件
[予想PER(※2)
1600~1680円
10.1倍~10.6倍]
公募価格 1680円
初値 2564円
初値騰落率 +52.62%
予想トレーディングレンジ(※3) 1200~2500
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS=今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。
■類似会社3社の予想PER(2023年9月5日終値の株価と会社側予想から計算)
会社名 ※クリックで最新チャートへ 予想PER
【3社平均】 8.3倍
極洋<1301> 6.9倍(連)
ニッスイ<1332> 11.1倍(連)
マルハニチロ<1333> 7.0倍(連)

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社3社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は類似会社より割高と判断できる。

オカムラ食品工業の発行株数・単元数・公開規模は?

■株数などに関する情報
発行済株式数(上場時) 778万5210株(予定)
公開株式数 公募105万株  売出-株
(オーバーアロットメントによる売出15万7500株)
想定公開規模(※1) 20.3億円(OA含む)
※1 有価証券届出書提出時における想定発行価格で計算。

オカムラ食品工業は青森発のサーモン養殖企業

 サーモンの養殖、水産品の加工・販売を行う。養殖事業、国内加工事業、海外加工事業、海外卸売事業の4つの事業を柱とする。海外卸売事業では、現在、シンガポール、マレーシア、台湾、タイに現地子会社を設置。売上高の販売地域別割合は、日本67%、アジア23%、その他10%となっている。

 サーモンの養殖という事業内容やスタンダード上場案件といった点から人気化するイメージを持ちづらい。一方、日本食市場の拡大を背景に、増収続きである業績は好感されそうだ。ただ、株価バリュエーションは割安感があるとは言いづらく、公開規模もやや荷もたれ感のある大きさとなっている。

 株主には投資会社やファンドは見当たらず、ほとんどの発行済株式には90日間のロックアップがかかっている。

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大和証券[最短翌日に取引可能]
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オカムラ食品工業の業績データ

■業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純損益
(伸び率)
2020/6 14,478
(―)
788
(―)
▲ 1,089
(―)
2021/6 16,000
(10.5%)
1,274
(61.7%)
585
(―)
2022/6 17,866
(11.7%)
2,041
(60.2%)
1,245
(112.8%)
2023/6
(―)

(―)

(―)
2024/6予
(―)

(―)

(―)
■連結業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2021/6 20,214
(―)
1,593
(―)
992
(―)
2022/6 24,100
(19.2%)
3,341
(109.7%)
2,249
(126.7%)
2023/6 28,939
(20.1%)
3,544
(6.1%)
2,389
(6.2%)
2024/6予 32,598
(12.6%)
1,775
(-49.9%)
1,234
(-48.3%)
2023/3 3Q 20,855
(―)
3,033
(―)
2,063
(―)
予想EPS(※)
/配当
単独:-円 連結:158.51円/34.00円
予想EPSは「今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの

オカムラ食品工業の業績コメント

 2024年6月期の業績は、売上高が前期比12.6%増の325.9億円、経常利益が同49.9%減の17.7億円と増収減益の見通しとなっている。

 水産資源への需要は高まり続けているが、一方で世界の水産資源の漁獲高には限りがあり、そのギャップを埋めるために養殖供給量は増加している。水産物の中でも人気が高いサーモンについては養殖供給量の増加が顕著だったが、北欧、南米の大規模養殖適地は開発し尽くされ、北欧を中心に様々な環境規制により海面での新たな養殖場の増加は困難な状況にあることから、世界的・長期的には需要超過が予想されている。

 また日本においては、これまで生食用サーモンについては大部分を海外からの輸入に頼っていたが、昨今の食糧安全保障や水産業の成長産業化といった社会課題に対し、サーモン養殖の拡大が有効な解決策として期待されている。このような背景から、生食用サーモン養殖市場は中長期的に継続して拡大していくと予想される。

 一方価格面は、ここ数年はコロナ禍やウクライナ侵攻などに起因する需要と供給の一時的なアンバランスによりサーモン価格や魚卵価格が高騰し、在庫を有する企業は高い利益率を享受できる環境が生じていた。今後短期的にはその反動が生じると見込まれる。魚卵価格やサーモン価格は調整に入り、これまでの高い利益率も一旦落ち着くものと予想される。

オカムラ食品工業の詳細情報

■基本情報
所在地 青森県青森市八重田一丁目6番11号
代表者名(生年月日) 代表取締役社長兼 CEO 岡村 恒一(昭和36年2月11日生)
設立 昭和46年8月2日
資本金 9000万円(令和5年8月24日現在)
従業員数 新規上場会社81人 連結会社804人(令和5年7月31日現在)
事業内容 サーモンの養殖、水産品の加工・販売
■売上高構成比率(2022/6期 実績)
品目 金額 比率
養殖事業 3,708 百万円 15.4%
国内加工事業 8,397 百万円 34.8%
海外加工事業 7,006 百万円 29.1%
海外卸売事業 4,988 百万円 20.7%
合計 24,100 百万円 100.0%
■大株主上位10位
順位 株主名 保有株数 保有シェア
1 株式会社オカムラ 296万4000株 44.01%
2 岡村 恒一 157万4280株 23.37%
3 Steelhead Aps 44万5860株 6.62%
4 岡村 直子 29万4000株 4.37%
5 八木 康次 27万7560株 4.12%
6 岡村 祥平 15万株 2.23%
7 岡村 大祐 13万2000株 1.96%
7 岡村 麻里 13万2000株 1.96%
9 岡村 英樹 12万株 1.78%
9 岡村 亮治 12万株 1.78%
9 小嶋 京子 12万株 1.78%
合計   632万9700株 93.98%
■その他情報
手取金の使途 (1)連結子会社における養殖設備の増強のための投融資資金、(2)同社における工場設備資金に充当する予定
関係会社 日本サーモンファーム株式会社 (連結子会社) 養殖事業
Musholm A/S (連結子会社) 養殖事業
Loejstrup Dambrug A/S (連結子会社) 養殖事業
他、連結子会社5社
VC売却可能分(推定) 株(売出し・保有期間などの制限があるもの以外)
直近有償第三者割当 年月日 2019年6月28日
割当先 Steelhead APS、Chua Choon Leng、秋田直哉
発行価格 814円 ※株式分割を考慮済み
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オカムラ食品工業の銘柄紹介

 同社グループは、同社及び連結子会社の9社で主に構成され「海の恵みを絶やすことなく世界中の人々に届け続ける。」をMissionとし、養殖事業、国内加工事業、海外加工事業、海外卸売事業の4つの事業を柱としてビジネスを展開している。サーモンを中心とした川上から川下までの垂直統合型のビジネスモデルで、グローバルに事業を展開し、その結果として、自己資本利益率や売上高営業利益率などの指標において上場会社平均を上回る実績を達成している。

(1)養殖事業

 生食用のサーモントラウトを養殖し、国内外に向け販売する事業である。Musholm A/Sにおいては、毎年約3,500トンのサーモントラウトを生産している。更にサーモン養殖の世界的なリーダーであるノルウェーの養殖との差別化を図るため、卵を持たせる養殖を行っている。その一部は同社向けに輸出され、国内加工事業に使われる。

 同社グループ以外へは、魚の身の部分はヨーロッパ諸国へスモークサーモンの加工用原料として、卵はいくらを生産しヨーロッパ各地へ、あるいはいくら加工用原料としてヨーロッパ各地へ販売している。

 日本国内においては、2017年6月に青森県に日本サーモンファーム(株)を設立し、サーモントラウトを生産している。サーモン養殖先進国であるデンマーク子会社Musholm A/Sの大規模生産のノウハウを活用し、孵化から養殖まで一気通貫した生産体制を構築している。

(2)国内加工事業

 国内加工事業及び(3)の海外加工事業は、魚卵・成魚を原料として顧客の要望にそって加工し、販売を行う事業である。国内加工事業における加工拠点は青森県に所在する同社青森本社併設の第一工場と第二工場である。第一工場では数の子及びたらこと、同社グループである日本サーモンファーム(株)の養殖サーモンを主に加工している。第二工場ではイクラと筋子の加工をしている。国内のスーパーマーケットや外食向けの販売が主であるが、最近ではアジア圏の大手回転寿司チェーンへの輸出も増えている。

(3)海外加工事業

 海外加工事業は、海外の加工拠点において水産加工品を製造する事業である。国内加工事業と同様に、同社養殖事業からの原料仕入れに加え、自社仕入れチームが自身で良質な原料を世界中から調達し加工販売まで行う。

(4)海外卸売事業

 シンガポール、マレーシア、台湾及びタイに拠点を有しており、現地の日系スーパーマーケットや日本食レストランに、日本から輸入した日本食材を販売している。顧客のニーズに応じて他社から幅広く商材を調達しているが、自社グループ内で養殖・加工した商材も当事業を通じて海外市場に販売されている。顧客のニーズに合わせた製品をタイムリーに、そして日本基準のきめ細やかなサービスを持って提供している。

オカムラ食品工業の投資のポイント

 サーモンの養殖という事業内容やスタンダード上場案件といった点から人気化するイメージを持ちづらい。一方、日本食市場の拡大を背景に、増収続きである業績は好感されそうだ。ただ、株価バリュエーションは割安感があるとは言いづらく、公開規模もやや荷もたれ感のある大きさとなっている。また、9/27はAVILEN<5591>がグロースへ同時上場する。投資家から人気のあるAI関連銘柄のため、初値買い資金分散の影響がありそうだ。

⇒AVILEN<5591>のIPO情報はこちら!

 水産加工品製造販売を目的として1971年、青森県にて設立。養殖事業、国内加工事業、海外加工事業、海外卸売事業の4つの事業を柱とする。日本とデンマークでサーモントラウトの養殖を行っており、養殖されたサーモントラウトは、鮮魚として外食店や小売店に販売するほか、原料として主にグループ内に販売している。

 海外卸売事業では、日本食市場の拡大が続くアジアに販売網を有しており、現在、シンガポール、マレーシア、台湾、タイに現地子会社を設置している。2022年6月期はROE(自己資本当期純利益率)35.4%(2022年3月期全産業平均9.37%)、売上高営業利益率12.3%(同6.49%)と高い収益性を実現している。また、売上高の販売地域別割合は、日本67%、アジア23%、その他10%となっている。従業員は連結で804名。

 業績面について、2024年6月期の業績は、売上高が前期比12.6%増の325.9億円、経常利益が同49.9%減の17.7億円と増収減益の見通しとなっている。原料価格の上昇や海外卸売事業における倉庫関連リース契約の減価償却費増加などによる影響で営業利益は19.4億円(前期比38.8%減)となる見込み。また、前期は円安の結果として多額の為替差益やバージ船の取得にかかる補助金など多額の補助金があったが、今期は減少し営業外収益は0.6億円(前期比88.1%減)を見込んでいる。

 想定仮条件水準の予想PERは10~11倍程度となり、老舗水産企業のニッスイ<1332>並み。ただ、今期の利益率は前期・前々期の勢いから失速しているだけに、価格設定の受け止め方は分かれそうだ。

 公開規模については20億円前後とやや荷もたれ感のある大きさ。株主には投資会社やファンドは見当たらず、ほとんどの発行済株式には90日間のロックアップがかかっている。前述のとおり、初値買い資金分散の影響が気がかりとなるほか、9~10月IPOラッシュの中盤戦というスケジュールにも注意したい。

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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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◆SBI証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
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