プリウスPHVのほうはSUVのアウトランダーPHEVと違ってクルマそのものの個性は希薄だが、ブランドの信頼感は抜群。そのうえで2時間程度はEVとして使え、その後はハイブリッドカーとして運用可能という商品力を備えてきた以上、相当の影響を受けることが予想される。

 もちろんEV陣営もプラグインハイブリッドカーの攻勢を黙って見ているわけではあるまい。日産はリーフの次期モデルについて、現状では公称値280kmという航続距離をさらに延ばすことを宣言している。だが、それだけでプラグインハイブリッドカーに対して明確なアドバンテージを持てるわけではない。

電力各社の深夜料金引き上げで
EVのコストメリットは縮小傾向

 肝心のコストメリットは以前に比べると縮小している。EVの圧倒的メリットは運用コストの安さと言われているが、電力各社が深夜電力料金を引き上げる動きも出てきているからだ。

 仮にプリウスPHVと100km走行あたりのコストを比較した場合、プリウスPHVがハイブリッド走行のみだったとしてレギュラーガソリン4.5リットル、500円。対するリーフはバッテリーに送り込むのに消費する投入電力を15kWhとすると340円。一応7割程度ではあるが、厳寒期や夏季などエアコン等でより電力を消費する時期にはアドバンテージはほとんど吹き飛ぶことになるだろう。

 現状で100kmあたり1000円くらいかかる燃料電池式EVよりはマシだが、決して楽な戦いではない。EVは今後、プラグインハイブリッドカーにはないようなEVならではの素晴らしさを積極的に表現できる何かを掴む必要があろう。

 一方、プラグインハイブリッドカー陣営も安閑とはしていられない。プリウスPHVの価格は補助金を計算に入れない場合、ノーマルハイブリッドに対して約70万円高くなるという。それでEVライフを過ごせるというのは結構なことに思えるが、実は罠も潜んでいる。

 先に述べた深夜電力料金引き上げの影響は、EVと同様にモロに受ける。現行プリウスが相当に優秀な燃費性能を持っていることもあって、ガソリン価格が今日の水準で推移する限り、70万円分のモトを取り戻すのはほぼ不可能に近い。

 短時間テストドライブしてみた印象としては、次期プリウスPHVはとても良くできたエコカーではあるが、とてつもなく速いといった決定的な付加価値を持っているわけではなく、ごく普通のクルマである。

 コストメリットが薄いとなると、今度は普通のハイブリッドカーが立ちはだかってくる。いちどEVに乗ってみたいという顧客は吸引できても、そこから先は苦戦する可能性も結構高いのだ。果たして日本や世界の顧客がどういう選択をするのか、成り行きが興味深い。