あらゆるネット家電が
LINEのアカウントを持つ

――今回の上場で調達した資金をAIの分野に投資するという話をされていましたが、AIをどんな風に使っていくのですか。

出澤 今あるサービスの中でわかりやすい例を挙げますと、ヤマト運輸さんの再配達依頼ですね。不在通知の紙も無駄ですし、荷物を受け取るお客様からすると電話するのも億劫、というのもあり、再配達の効率性というのは大きな経営課題になっています。そこで、LINEは多くの方が使っていて、特に不在が多い若い方が使っているということで再配達の設定をLINEでできるようになっているのですが、このやりとりはAIが行なっています。今、メールや電話で行われているコミュニケーションをLINEにすることでユーザーさんも便利だし、企業側もコストや効率の面でメリットが大きい。そういった価値を提供する取り組みが増えてきています。

 また、今後はさらにLINEとIoTがつながるということも当然出てくると思います。IoT系の事業者の方からいろんなご提案やご相談を受けるのですが、みなさんに共通している課題は、「モノがインターネットにつながるのはわかるが、じゃあそのモノとどうやってコミュニケーションするんだ、どうやって指示を出すんだ」ということなんです。

 そのとき、コントロールのためのアプリをダウンロードするなんてことになるとユーザーさんにとってはかなり手間です。ならば、リモコン代わりになるのは何かと言うと、みんなが使っているLINEが一番やりやすいよね、と。

 例えば、ネット家電にそれぞれLINEのアカウントを付与して、冷蔵庫に対して「ビール何本ある?」とLINEで聞くと、冷蔵庫が開閉する度に画像認識していて「ビール、3本あるよ」と返してくれる、とか。家に着く前に洗濯機や、お掃除ロボットにLINEでメッセージするとそれらの家電が動く。そうしたことも含めてLINEからいろんなものにつながってく世界というのを我々は目指しているし、ユーザーさんにとっても、友達とのやりとりと同じ延長線上でいろいろなことができるのは自然な形かなと思います。

――家電製品にもLINEのアカウントが付与されることになったら、本当にとんでもなく“ユーザー”の数が増えていくことになりますね。

出澤 ただ、そこで無理してLINEから何でもやろうとは思っていません。やはりLINEならではの価値観、付加価値を提供できるところしか、ユーザーさんは動いてくれないですから。