繊維業界の名門、ユニチカが金融支援を仰いでから約2年。復活に向けた改革と今後の目標について、注連(しめ)浩行社長に聞いた。

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──2014年、主要取引銀行とファンドから総額375億円の金融支援を取り付けました。不採算事業からの撤退といった事業のポートフォリオ改革を一気に進めると共に、成長投資を行うことが目的でしたが計画の進捗状況は?

 15年度で事業ポートフォリオ改革はおおむね完了しました。業績にマイナスの影響が大きく出るようなことは、もうありません。

──メディカル事業など、黒字事業の整理も進めました。

 これまでも、積み上げた利益の範囲内でできる構造改革は自力でやってきましたが、それらは赤字の事業や会社の処理がほとんど。今回は限られた経営資源をどこに投入するかという観点で、コア事業(世界トップシェアを握る食品包装用ナイロンフィルム等を展開する高分子事業など)とはシナジーのない事業や会社などについては、譲渡も行いました。

──まさに聖域なき改革。「東洋の魔女」と呼ばれた女子バレーボール部の拠点だった貝塚事業所(大阪府)も売却しました。