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JR東日本が2020年に山手線品川駅と田町駅の間に新たに開業する「品川新駅」の計画概要を発表した。駅名はまだ未定ということだが、駅ができる場所はちょうど都営浅草線と京急線の泉岳寺駅とほぼ同じ場所になる。
山手線としては比較的駅と駅の間の距離が長かった部分に新駅が設置されるので、泉岳寺近辺のオフィスや、JRの線路を挟んで反対側の海側のエリア近辺の住民にとってはとても利便性が高い新駅になりそうだ。
駅舎をデザインするのは新国立競技場の設計を担当した建築家の隈研吾氏で、新国立競技場と同様に、随所に木材を使っている。また屋根は折り紙をモチーフにした和のイメージだ。
JR東日本の都市開発史上、
最も費用対効果の高い計画
JRの発表によれば、まず2020年のオリンピックイヤーに新駅が開業し、その後、隣接するJRの車両基地があるエリアが再開発されて、2024年に複数の複合ビルによる街がオープンすることになるらしい。
実はこの計画、JR東日本の都市開発計画の中では、もっとも投資の費用対効果が高い計画として長らく注目されてきた計画でもある。
この計画の根本は、2015年3月に開業した上野東京ラインにまで話はさかのぼる。上野駅と東京駅の間に巨額の投資をして空中に新しい線路を敷設したJR東日本の一大プロジェクトで、この区間が開通したことで宇都宮線、高崎線、常磐線と東海道線が直結することになった。これで都心を貫く基幹路線の利便性が大いに向上するとされた。
この路線の開業の結果、一時的にはこれらの路線の利便性が高まりすぎて、これまで以上に列車が大混雑して、朝の出勤ピークに途中駅の乗客が通勤車両に乗れなくなるという騒動が起きたぐらいだ。
一方で、上野―東京間の工事だけを見ると、「これだけの巨額な建設投資が回収できるのか?」と疑問を感じる規模だったかもしれない。だが、この巨大プロジェクトのビジネスモデルとしてのからくりが、今回発表された山手線新駅の開発プロジェクトにある。