日本銀行によるマイナス金利政策の導入から半年以上が経過し、じわりと生命保険業界にも影響が及ぶ中、生命保険協会の会長に就任した明治安田生命保険の根岸秋男社長に、今後の方針を聞いた。

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──日銀によるマイナス金利政策によって、生保各社の第1四半期決算が軒並み悪化するなど、影響が出始めています。

 生保にとってマイナス金利の影響は短期的にではなく、ボディーブローのように中期的に効いてきます。ALM(資産・負債の総合管理)を行っているため、保有契約に対してはすでに長期の債券で対応しています。問題は、新契約の獲得によるニューマネーの投資先がないことです。今の国債では逆ざやになってしまいます。

 ただし、そのぶん経営のかじ取りには時間的な猶予があるといえます。また、リーマンショックなど幾多の危機を経て、生保各社のリスク耐久力は以前よりも高まっています。生保各社を見回すと、先を見通して、早めに手を打っていこうとしています。

 課題は、負債と運用をマッチングさせるための運用の高度化や、外債などのリスク性資産をいかに取り込んでいくかでしょう。

──生命保険協会として重点的に取り組むことは何でしょうか。