『週刊ダイヤモンド』4月23日号の第1特集は「保険 見直すなら最後のチャンス!」です。マイナス金利政策の導入によって低金利に拍車がかかり、学資保険や終身保険など貯蓄性の高い保険商品の売り止めや、販売停止が相次いでいます。さらに、来年4月には標準利率が引き下げられ、その後も長寿化を反映した生命表の改定が予定されています。生保にとっては“三重苦”となるわけで、来年以降、保険料がアップしていくことは間違いありません。保険の加入を検討しているならば、早めに検討した方がよさそうです。そこで本特集では、保険のプロたちがお薦めする9分野39商品のランキングを作成しました。また、保険の見直し方や自動車保険ランキングなど保険商品について分析し、併せて保険業界の最新状況や生損保の就活についてもレポートしています。

(写真はイメージで、本文とは関係ありません)

 40代の主婦はある日、ファイナンシャルプランナー(FP)の元を訪れていた。月額の保険料が「あまりに高い」と感じ、保険を見直したいと考えたからだ。

 聞けば、夫が20代で結婚したての頃、保険の営業員から「結婚したのだから保険くらい入っておかなければ駄目よ」と言われたのをきっかけに、勧められるままの保険に入ったという。

 それ以降も、別の保険に入ったり、営業員に言われたとおりに契約を更新したりした結果、いつのまにか月の保険料が4万円を超え、さすがに「無駄なのではないか」と感じたのだという。

 相談を受けたFPは、生命保険最大手が販売した定期付き終身保険の保険証書を目にし、愕然とした。というのも、定期保険部分の保険料払込満了がなんと「102歳」になっていたからだ。

 しかも、どの保険も契約更新のたびに、保険料が引き上げられていた。FPが「これは完全に保険会社のカモになっていますよ」と伝えると、主婦は「やっぱり」とため息を漏らしたという。

 この夫婦のみならず、自分がどんな種類の保険に入り、契約内容がどうなっているのか、理解しないまま保険料を払っている人たちは多い。

 しかし、これが住宅であれば複数の物件を比較したり、何度も下見をしたりするなど検討を繰り返すだろう。「住宅は高いから」と言う人もいるが、保険も一生涯で支払うトータルの保険料でみれば相当なものだ。

 生命保険文化センターによれば、1世帯当たりの年間保険料は最新のデータで41万6000円。30年間に渡って払い続けたとすると1248万円、40年間なら1664万円に上る計算になり、住宅の次に大きな買い物といえる。