松田 先日も東京の待機児童が8500人との発表がありましたが、それも氷山の一角。株式会社の保育園参入を推進して待機児童を大幅に減らした横浜市のような取り組みを進めていくことと、もう一つは私も海外で経験した「ベビーシッター」という職業をもっと広めるべきだと思っていました。ただ、日本ではベビーシッターの文化が根付いていません。どういう戦略を描いていますか。

経沢香保子氏はベビーシッター事業のどこに勝機を見出したかつねざわ・かほこ
株式会社キッズライン代表取締役CEO。桜蔭高校・慶應義塾大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳の時に自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。2014年に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、1時間1000円~即日手配も可能な安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」(https://kidsline.me/)を運営中。 著書に、『自分の会社をつくるということ』(ダイヤモンド社)などがある。 日々の発信:https://note.mu/kahoko_tsunezawa Facebook:https://facebook.com/kahokotsunezawa Twitter:https://twitter.com/KahokoTsunezawa

経沢 確かに現在の日本にはない文化なので、簡単にはいかないでしょう。でも、私は時間とともに徐々に変わっていくと考えています。それこそ紙おむつも日本に入ってきた数十年前は、使い捨ての習慣がなかったので、最初は戸惑ったのでしょうけど、時間や改良を重ねて普及しました。私は、まず、ベビーシッターの普及に一番のハードルは値段だと考えました。従来、時給3000円程度のサービスが多い業界にあって、私たちが運営する「キッズライン」はその3分の1にして、1時間1000円からとし、入会金もなしにしました。やはり病児や急な外出などではベビーシッターは必要なので、一度使ったら愛好いただいているようです。

松田 ということは、リピーターは相当多いですか?

経沢 ありがたいことに、ほとんどの方がリピートしてくださっています。

松田 なるほど。議員時代にもレクチャーいただきましたが、制度の面で普及のカギと思うところは?

経沢 保育バウチャーが実現すると大きいでしょうね。「子どもがいる人は毎月いくら」という具合で親が多様な保育サービスの中から自由に選べるようにするなど。保育園も大事ですが、これだけ共働き世帯が急増しているタイミングでは、待機児童は増え続ける一方です。また、実際、保育園に預けることができたとしても、子どもが熱を出して病気になれば預けられないし、自宅で親御さんの代わりにベビーシッターや保育ママの活用をすることになるので、併用はいざという時のためにも安心です。あとは、保育園は常に人材不足ですが、資格を持ったまま現場を離れた潜在保育士さんでキッズラインで復職する方が非常に多いんです。好きな時間に好きな時給で働けるからだと思うのですが。

松田 文化的な理由は時間が解決するとみておられるようですが、どんな問題があるのでしょう。

経沢 値段が高いイメージや、手続きがめんどくさいというイメージは、弊社のサービスで1時間1000円~とか、スマホで24時間予約できる等工夫をこらし徹底的に解決しましたが、なんとなく「ベビーシッターに預ける」ということに対する「罪悪感」を感じることはあります。「育児は母親がするもの」という考え方も根強い日本ですので。