日本ロレアル社長 クラウス・ファスベンダー<br />ニーズに合った革新的製品で<br />日本市場のシェアを伸ばすPhoto by Toshio Fukumoto

──日本の化粧品市場は成熟しており大きな成長は期待できないのではないか。

 日本は世界第2位の化粧品市場であり、スキンケアに限れば世界第1位。ロレアルにとっては非常に戦略的な市場だ。確かに成熟しているが動きは活発で、顧客は革新的な製品を常に求めており、そのための出費を惜しまない。市場はまだまだ拡大する。

 日本市場はロレアルにとってベンチマークでもある。日本の消費者は品質へのこだわりが世界で最も強い。日本の消費者を満足させることができれば、その製品は世界でも通用する。日本を研究開発の重要拠点と位置づけ、投資を増やしている理由もそこにある。

──日本は国内メーカーが非常に強い。どう戦うか。

 われわれの最大の強みはブランドの多様性。全部で23のブランドを持ち、さまざまな国・地域・顧客をカバーできる。さらに、世界最大の化粧品グループの規模のメリットを生かし、革新的な製品をリーズナブルな価格で提供することができる。