『BUSINESS FOR PUNKS』
日経BP社 ジェームズ・ワット著、高取 芳彦翻訳 392ページ 2052円(税込)

 パンク生誕40周年と言われている年にふさわしいPUNKなビジネス書が誕生した。その名も『BUSINESS FOR PUNKS』(ビジネス・フォー・パンクス)。全世界でクラフトビールブームを牽引しているクラフトビールのメーカーの「BREWDOG(ブリュードッグ)」創業者ジェームズ・ワットが書いた刺激的な経営の本である。PUNKが大好きでクラフトビールにはまっている私にとって、これは読むしかない!と思える本だった。

 今年はPUNK40周年ということもあり、PUNK関連の本がたくさん出版されている。SEX PISTOLSのヴォーカル『ジョン・ライドン新自伝 怒りはエナジー』に、PUNKの女王『VIVIENNE WESTWOOD ヴィヴィアン・ウエストウッド自伝』などがそうだ。PUNKなビジネス書『BUSINESS FOR PUNKS』を含め、この3冊に共通するのはとにかく分厚い本だということである。

PUNKといえども
財務の知識は必要だ

 ヴィヴィアン・ウエストウッドの自伝は624ページ、ジョン・ライドン新自伝は609ページ(しかも2段組み)とすさまじいボリュームの本だ。『BUSINESS FOR PUNK』はこの2冊に比べればだいぶ薄い390ページだが、なかなかボリュームのあるハードカバーの本にもかかわらず、スピン(しおり)がついていないところがPUNKである。

 PUNKといえば初期衝動が大事だ。楽器は弾けなくても、とにかく音楽がやりたいという衝動に身を任せて、簡単なコードの繰り返しに歌詞をのせて、数々の名曲が生まれた初期PUNKのように、この本も読みたいと思ったら、その衝動に身をまかせて、一気に最後まで読めということなのだろう。そして一気に読めるおもしろい本であるという自信もあるのかもしれない。まんまとその挑発にのって、私は読み始めたら最後まで一気に読んでしまった。