正社員なら
どんな企業でも安心か?

 世間体が気になったり、家族からの期待や嘆きだったり、逆に家族を安心させたいという気持ちなど、様々な理由を含んで正社員を希望している若者が少なくありません。彼らは、いつまでもこのままではいけないと思いながら就職活動をします。そこには、とにかく正社員にならないと生活・心身ともに安定しないという観念も存在するからです。

 確かに正規雇用と非正規雇用では、現時点でも大きな待遇の違いがあります。例えば正社員と契約社員で比較してみましょう。平成28年4月に産業労働局から発表された「契約社員に関する実態調査」によると、仮に契約社員と正社員の仕事内容、仕事量、仕事の責任のいずれかが同じであっても、賞与額は「相違があるが見直しは行わない」と回答する事業所が全体の40%にも及んでいるといいます。退職金について同様の条件で考えた場合、全体では48%の事業所が見直しは行わないと回答しています。

 就職活動中で、家族と同居している人は、「定職についてほしい=正社員になってほしい」という願いを背負っているでしょう。ところが、正社員であればどんな企業でも安心かというと、残念ながらそうではありません。明らかに安易に入社できそうな企業や、常時大量募集を行っている企業はそれだけ離職率が高い可能性があるので確認する必要があります。

 とはいえ、1人で就職活動をしていると、1社1社を調べていくのは非常に手間がかかりますし、途中で嫌になってしまう場合もあります。ハローワークへ相談に行くのは有効な手段だと思いますが、残念ながらハローワークに提供される全ての求人がブラック企業ではないという保証はありません。

 日々掲載される求人を見ても、ブラック企業であるかどうかを調べることなどできません。そもそも公共性を重んじるために、ハローワークではよほどのことがない限り求人依頼を断りません。冒頭でも書いたとおり、厚生労働省でもブラック企業の定義は明確にしていないのです。結果、求人の中にはブラック企業も混在してしまうのが現状です。

 そこで私は、ハローワークと並行して、公共事業で行っている正社員育成事業などの検討もおすすめしています。そういった事業であれば、過去に正社員になった方の情報や離職率が判明する場合が多いからです。もちろん公共事業だからといって、100%安全という保証はありません。口コミサイトでも無料のものよりもユーザーが有料で登録しているサイトなどを選び、多面的な視点から情報をキャッチすることも重要です。