2011年に入って、市場関係者のみならず産業界においても日本の株式市場に対する見方は、久びさに強気に傾きつつあるようだ。しかし、しばらく弱気に放置されていたこともあり、依然として日本株に対して強気になれない市場関係者も数多く存在する。
その背景には、エコポイントの終了や個人増税などによる内需の急減速や米国の金融緩和を背景とした円の対ドルレート高値更新懸念など短期的な不安材料、人口減少や政治能力の欠如など、もはや改善を期待することが難しい長期的な要因がある。
一方で、強気の見方の根拠となる要因も多い。
過去の卯年における上昇率の高さなどによる干支効果(卯年の平均騰落率は十二支中3位)や米大統領選挙の前年の米国株式市場はすべて上昇していることなどのアノマリー(合理的説明のつかない市場の動き)に対する期待感があること、長年の不良債権処理を経て金融機関や企業の財務体質が大幅に改善してきていること、円高に対する主要輸出企業の耐性が向上してきていることなどによる業績回復期待などがそれに該当する。