そもそも、日本の受動喫煙対策はどうなのか?

 では、現状の受動喫煙対策はどうなっているのか。

 2003年5月に施行された健康増進法と2015年6月の労働安全衛生法の改正で、施設や事業所での受動喫煙の防止策が取られるようになったが、いずれも努力義務に止まっている。国際的には「禁止」が大勢なのに、日本は「努力義務」だ。

 また、国はたばこ規制に関する世界保健機関枠組み条約の締結国として規制措置への取り組みもしなければならい。

 31日に呼ばれた業界団体は、日本内航海運組合総連合会 一般社団法人日本船主協会 一般社団法人日本外航客船協会 、日本私立大学団体連合会、全国麻雀業組合総連合会、特定非営利活動法人日本ホスピス緩和ケア協会 、一般社団法人全日本シティホテル連盟、一般社団法人日本フードサービス協会、一般社団法人全国消費者団体連合会、そして病院を代表したのが四病院団体協議会である。

 四病院団体協議会は、日本病院会と日本精神科病院協会、日本医療法人協会、全日本病院協会で構成されている。

 日本医師会は既に2012年に「受動喫煙ゼロ宣言」を発表しており、全医療機関で敷地内禁煙を推進している。公立病院ではほとんどが敷地内での禁煙を実施しており、多くの病院では禁煙に前向きである。

 ではなぜ、この日のヒヤリングで「及び腰」な発言になったのか。禁煙問題に詳しい産業医科大学の大和浩教授は「精神科病院の考え方が強く出てきためだろう。というのも日本医療機能評価機構が一般病院と違う見解を打ち出しているからだ」と話す。

 日本医療機能評価機構精は、一般病院については受動喫煙を防止するため全館禁煙の遵守を求めているが、精神科と療養病棟、緩和ケア病棟については、分煙のための施設・設備が整っており、受動喫煙の防止が徹底していればよいとしている。

 確かに、ヒヤリングの際に、入院患者の多くが末期のがん患者である日本ホスピス緩和ケア協会は「喫煙の習慣がある患者にはその点を配慮して、敷地内で認めている場合がある」と実態を説明していた。一般病院とは異なる対応だ。大和浩教授は「こうした考え方は、間違ったやさしさの表れだろう」と批判する。