病気の一種ではあるのだろうが、正毅さんのようにアラウンド70でも、病気と呼んでいいのだろうか。

「70代の7割以上はEDという調査結果もありますから、自然な現象ではあるのですが、それによってご本人が、生活の質が著しく損なわれると自覚し、治療してほしいと希望するのであれば、60代、70代であっても病気と考えていいと思います」

 しかし、妻の気持ちはどうだろう。

 ある調査によると、性行為のさなかに痛みを感じている女性の割合は75%にものぼる。しかも、相手に痛いと伝えているのは、そのうちの30%強。3人中2人は、痛みを我慢している。

 1974年、つまり今から40年以上も前に老人クラブでの会員510人(男261、女249)に調査したデータでは、以下のようなものもある。

 ◎性行為を欲する者
 男性 190人中104人
 女性  96人中 6人

 ◎性行為のある者
 男性 76.7%
 女性 38.3%

 高齢夫婦の性欲のズレ具合は凄まじい。

 セックスからの卒業を望む妻の意に反し、医師が夫にED治療薬を処方したばっかりに熟年離婚に至った夫婦の数は、調査データこそないものの、決して少なくはないはずだ。

「それはあるかもしれませんね、私も心配になりまして、ある時期から、ED治療を望む高齢の患者さんには、ご夫婦で受診されるようお願いしています。治療の目的は、性生活が営めることではなく、夫婦円満ですからね」

EDの陰に大病あり
名医が夫婦での受診を勧めるワケ

 名医が夫婦での受診を勧めるのには、さらにもう1点、理由がある。それは、EDと重大な病気との関係だ。