その後も構造改革の手を緩めることなく、12年度に米国のリアプロジェクションテレビ、13年度にプロジェクターと液晶モニター、14年度に銅合金と、各事業の撤退を決定した。

 今年4月には携帯電話販売会社のダイヤモンドテレコムを兼松に売却し、08年度以降も合計1600億円以上の売り上げ規模を本体から切り離した。

「新陳代謝」と同社で呼んでいる構造改革により、グループには、FAと自動車機器で構成する産業メカトロニクス、エレベーターや発電機器で構成する重電、エアコンを中心とする家庭電器など高収益事業が残り、15年度の自己資本比率は45.3%、16年の3月末のネットキャッシュは1701億円という、日立製作所と東芝を凌駕する健全な財務基盤を固めるに至っている(図(3)、(4))。

 一方で、三菱電機にとって今後の課題は成長。柵山正樹社長は20年度に売上高5兆円、営業利益率8%の高い成長目標を掲げる。

 柵山社長は2年前から、FA事業本部と家庭電器事業本部にM&Aの専任スタッフを置いて、買収案を検討させている。昨年12月のデルクリマも事業本部の専任スタッフが見つけ出した案件だ。

 5兆円の売上高の達成に向けて、再び過去最高水準に積み上がった手元資金を有効に使うことができるか。M&Aに消極的な三菱電機が変貌するタイミングが近づいている。