実際に働いてみなければわからない大手人気企業のリアルな姿を、「Vorkers(ヴォーカーズ)」に寄せられた社員・元社員のクチコミからリサーチ。社員満足度と社員による経営者への提言から見る会社の実態をご紹介します。
今回は、大手電機メーカー8社の働きがいを見ていきます。戦後の日本経済を牽引し、高品質な日本ブランドを確立させてきた電機メーカー。しかし、ここ数年は、東芝の粉飾決算や、シャープの業績悪化による大量リストラなどネガティブなニュースに注目が集まっています。
一方で、2015年9月の中間連結決算では、業績悪化に歯止めがかからないNECや富士通とは対照的に、堅調な三菱電機と、V字回復のパナソニックと日立、そしてソニーの業績好調が話題となりました。現在調整中とされる、東芝からソニーへの半導体事業の売却と1000人以上の人員転籍も、まさに二極化した電機メーカーの行く末といえるでしょう。
各メーカーの明暗を分けたのは何か。社員・元社員による社内のクチコミからその背景を探ってみたいと思います。
※2007年7月~2015年12月までにVorkersに投稿されたシャープ(462人3232件)、ソニー(542人3944件)、東芝(295人1966件)、日本電気(NEC)(571人3984件)、パナソニック(434人3036件)、日立製作所(511人3711件)、富士通(525人3680件)、三菱電機(222人1502件)へのレポート回答25055件(回答者数:3562人)を分析。
社員の働きがい総合得点、
ランキング1位はソニー
まず、ヴォーカーズによる社員満足度を図る8項目の数値評価から見ていきます。この評価項目を総合して見ることで、社員たちの会社での「働きがい」の特徴が浮かび上がります。
◆大手電機メーカー8社の社員満足度
総合評価はソニーが3.34、パナソニックがほぼ同率で3.30となりました。1~4位までは大きな差がなく、どこも近しい評価となっていることがわかります。最下位となったのはシャープ。評価点2.86と、他社と比較して低いことがわかります。
1ヵ月あたりの残業時間はシャープが最も低く30時間を切りますが、他は約40~50時間とあまり違いはありません。また、有給消化率は三菱電機が35%とやや低いものの、他社は40~55%と半数に近い数字となっています。
それでは、各社の社員クチコミを見ていきましょう。