シャシー剛性の高さが
メルセデスAMGの速さに

松本 ひとつは出来のよさです。まずシャシーですね。クルマはシャシーの剛性が高くなくては思い通りに走らせることは出来ません。パワーをかけるとシャシーはねじれやすいですから。ねじれてしまうとサスペンションにも影響がでます。仮にサスペンションを取り付けているピボット部が歪めば、路面にパワーを伝えるタイヤは意図した動きにはなりません。

―AMGは新車の開発の時から関与して、多くをオリジナルの部品に交換するといいますからね。

松本 もうひとつは精巧な作りのエンジンです。メルセデスAMGの場合あらゆるパーツに精度のバラつきがありません。そうすると吸い込むときに空気の量が同一なので圧縮も燃焼も均等です。それが髙性能につながるわけです。

――エンジン音もいいわけですね。

松本 ハーモニクスといったりしますが、調和のとれたじつにいいエンジン音です。メルセデスAMGのオーナーがまず誇りに思っていいのは、そこでしょう。

ひとりの担当者が責任を持って1基のエンジンを組み上げるAMG

――AMGはメルセデス・ベンツ車の公認チューナーとして台頭してきて、1999年に買収されて正式なラインナップに組み込まれます。2014年からブランド再編されてメルセデスAMGとなりました。立ち位置がより明確化しています。いまは4気筒、V型6気筒、V型8気筒、それに一部の上級モデル用にV型12気筒とエンジンのバリエーションが増えています。販売も好調なためエンジン工場を増設したりしているとのことですが、しかし一人の担当者が1基のエンジンを最後まで組み上げる「ワンマン・ワンエンジン」というポリシーは基本的に変えていないようですね。「人手がいくらあっても足りない」とドイツで会ったメルセデスAMGの技術者はこぼしていました。

松本 「63」系のV型8気筒エンジン、ふだん乗るにはパンチがあっていいですよね。「43」系のV型6気筒でも十分いいのですが、さらに刺激があります。