アニメーションや映画の場合は、他業態に比べて、複雑なお金の使い方をしていません。ある一定の制作費と、一定の制作期間が与えられている中で、作業を行い納品する。長いスパンではありますが、お金の流れは単純なので、管理がしやすい。とてもシンプルなので、私にも把握することができるのです。

経営を支える版権ビジネス
旧シリーズの権利も一元化する

──エヴァシリーズは飲料からスマートフォン、自治体など多様なコラボレーションを実現してきたことでも有名です。版権ビジネスが経営を支えているとも伺いますが、いかがでしょうか。

 ええ、会社の柱の一つになっています。版権は、グラウンドワークスという会社に委託しています。ここの社長である神村(靖宏代表)は、大学のときから付き合いがあります。彼は、作品を大事にするタイプ。商売優先ではなく、まず、作品ありきなので、安心して任せられています。

──『Q』公開の際は、約30の企業ともタイアップしたということですが、企業を選ぶ基準はあるのでしょうか。

 基本的には、仕掛けも含めて神村に任せています。ジャッジメントを求められたら、感覚的に判断しています。大事にしている基準は、ファン目線です。この連携をしたら、作品にとって広がりが出るかとか、ファンの方の喜ぶ姿が見られるのかとか、そういうことを重視しています。商売は二の次です。

 結局、ファンの方を中心に考えることが回り回って商売につながると思います。神村も私も、轟木もこの意識が共通しているからブレがないのです。

──2014年には、古巣であるアニメ制作会社ガイナックスからテレビシリーズの版権をカラーに移すことができたようですね。

 ええ、エヴァの原作は庵野のものという認識を持っていてくれたので、円満に引き継ぐことができました。もともと神村はガイナックスで版権も担当していましたので。われわれが、というよりも先方の事情から引き取る感じになりました。